横浜・神奈川の事業承継・M&A補助金相談窓口2026
申請実務
公開: 2026年9月11日
更新: 2026年9月11日
読了目安: 3分
公募中 9件
この記事の結論
事業承継の相談をどこから始めるかで迷ったら、まず公的窓口です。事業承継・引継ぎ支援センターは、全国47都道府県(東京都のみ本部と多摩地域の2拠点で計48拠点)に設置された国の相談窓口で、親族内承継・第三者承継(M&A)のどちらにも対応します。
神奈川の公的窓口は横浜・尾上町のセンター
事業承継の相談をどこから始めるかで迷ったら、まず公的窓口です。事業承継・引継ぎ支援センターは、全国47都道府県(東京都のみ本部と多摩地域の2拠点で計48拠点)に設置された国の相談窓口で、親族内承継・第三者承継(M&A)のどちらにも対応します。神奈川県の拠点は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 名称 | 神奈川県事業承継・引継ぎ支援センター |
| 所在地 | 〒231-0015 横浜市中区尾上町5丁目80番地 神奈川中小企業センタービル12階 |
| 電話 | 045-633-5061 |
| ウェブサイト | kanagawa-shoukei.go.jp |
| 扱う相談 | 親族内承継、従業員承継、第三者承継(M&A) |
センターに相談することが加点につながる
- 事業承継促進枠の加点事由に、事業承継・引継ぎ支援センターまたは中小機構地域本部の支援を受けた事業承継計画書の策定が挙げられています。
- この加点は事業承継促進枠のみのもので、専門家活用枠の加点事由には含まれていません。
- 相談内容や対応可能な範囲、予約方法は各センターの案内にしたがってください。訪問前に電話またはウェブサイトで確認することをおすすめします。
神奈川県は横浜市・川崎市・相模原市という3つの政令指定都市を抱え、県内の事業者数も多い地域です。その一方で、事業承継・M&A補助金の都道府県別の採択件数を示す公開データは確認できません。事務局が公表しているのは枠別の申請件数・採択件数の集計値のみです。「神奈川県の採択率は何%」といった数字を示す一次情報は存在しないため、本記事でもその種の数値は書きません。センターの使い方は事業承継・引継ぎ支援センターの使い方で詳しく整理しています。
神奈川県内14の商工会議所
地域の経営相談の入口として、商工会議所があります。神奈川県内には14の商工会議所が設置されています。所在地・電話番号・ウェブサイトは次のとおりです。
市内に商工会議所が置かれていない地区では、商工会が地域の窓口になります。所在地の商工会は神奈川県商工会連合会のサイトで探せます。なお、商工会議所・商工会が認定経営革新等支援機関に認定されているかどうかは組織ごとに異なりますので、確認書の発行を依頼できるかは各窓口に直接お問い合わせください。
目的別に、どこへ相談すればよいか
窓口が複数あると迷います。神奈川で事業承継・M&A補助金を検討する場合の、目的別の相談先の考え方を整理します。
| やりたいこと | 主な相談先 | 理由 |
| 誰に継ぐかがまだ決まっていない | 神奈川県事業承継・引継ぎ支援センター | 親族内承継・第三者承継の双方を扱う公的窓口で、事業承継計画書の策定支援は加点事由にもなる |
| 後継者がいないので譲り先を探したい | 神奈川県事業承継・引継ぎ支援センター、登録M&A支援機関 | 第三者承継の相談に対応。仲介・FA費用を補助対象にするには登録M&A支援機関の利用が前提 |
| 身近な経営相談から始めたい | 所在地の商工会議所・商工会 | 地域の経営相談の入口。神奈川県内には14の商工会議所がある |
| 確認書を発行してもらいたい | 認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等) | 全枠で確認書の発行が必要。締切直前は依頼が集中する |
| 公募要領の解釈を確かめたい | 事業承継・M&A補助金事務局 | 枠ごとの要領・よくある質問が公開されている |
| 申請書類の作成を有償で任せたい | 行政書士(法人を含む) | 行政書士以外の者が有償で申請書類作成を代行することは行政書士法違反の可能性があり、交付決定後に発覚した場合は取消しの対象 |
最後の行は重要です。「補助金の申請を代行します」と営業してくる相手が行政書士でない場合、その代行自体が問題になり得ます。費用の相場や依頼先の選び方は申請代行の費用と注意点で整理しています。
M&Aの仲介・FAを頼む場合は、M&A支援機関登録制度への登録の有無を必ず確認してください。専門家活用枠では、委託費のうちFA業務・仲介業務に係る相談料・着手金・中間報酬・成功報酬等は、登録されたFA・仲介業者が支援したものに限り補助対象です。未登録業者への支払いは全額対象外になります。
4つの枠と補助上限額
相談の前に、制度の全体像を押さえておくと話が早く進みます。事業承継・M&A補助金には4つの枠があり、それぞれ別の公募要領があります。使う枠は被承継者と承継予定者の関係で決まります。
| 枠 | 対象になる承継 | 補助率 | 補助上限額 |
| 事業承継促進枠 | 親族内承継・従業員承継等(M&Aによる第三者承継は対象外) | 1/2以内(小規模事業者等は2/3以内) | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円) |
| 専門家活用枠 買い手支援類型 | 経営資源を譲り受ける中小企業等 | 2/3以内 | 600万円(DD費用上乗せで800万円) |
| 専門家活用枠 売り手支援類型 | 経営資源を譲り渡す中小企業等 | 1/2または2/3以内 | 600万円(DD費用上乗せで800万円) |
| 専門家活用枠 買い手支援類型(100億企業特例) | 将来売上高100億円を目指す買い手 | 1,000万円以下は1/2、1,000万円超2,000万円までは1/3 | 2,000万円 |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型 | 小規模事業者等の売り手 | 2/3以内 | 450万円 |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | PMI計画の策定・実行に係る専門家活用 | 1/2以内 | 150万円 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | IT・会計システムの統合等、統合効果を高める設備投資 | 1/2以内(小規模事業者等は2/3以内) | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円) |
| 廃業・再チャレンジ枠 | M&Aで譲り渡せなかった場合の廃業、または他枠との併用による一部廃業 | 単独申請は2/3以内、併用申請は他枠の補助率 | 300万円 |
小規模事業者等の定義は、製造業その他が従業員20人以下、商業(卸売業・小売業)・サービス業が5人以下、宿泊業・娯楽業が20人以下です。横浜・川崎の都市部には小売業・サービス業の事業者が多く、その場合は5人以下という厳しい基準になります。自社の区分と人数を先に確認してください。枠ごとの詳細は4つの枠の違い、金額の一覧は補助率と上限額にまとめています。
補助対象になる費用と、ならない費用
相談の場で必ず話題になるのが「何にいくら使えるのか」です。対象経費は枠ごとに別の公募要領で定められています。まず全体像を押さえてください。
| 枠・類型 | 対象経費の大枠 |
| 事業承継促進枠 | 承継を契機とした取組に要する経費(公募要領9章に規定。被承継者に支払う譲受費用は対象外) |
| 専門家活用枠 | 謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料の6区分 |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | PMI計画の策定・実行に係る専門家活用費用 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 設備費、外注費、委託費(統合作業の外部委託等) |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、土壌汚染調査費、移転・移設費の7区分 |
どの枠でも対象外になるもの
- 被承継者に支払う譲受費用(土地・資産購入費用等)。現経営者個人から会社が不動産や設備を買い取る代金はここに当たります。
- 売上原価に相当する経費。仕入や材料費は全枠共通で対象外です。
- 交付決定日より前に契約・発注・支払いをした費用。
- 国(独立行政法人を含む)の他の補助金・助成金と同一・類似内容で重複する事業。公的医療保険・介護保険の診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複も対象外です。
- 未登録のFA・M&A仲介業者へ支払った手数料(専門家活用枠)。
- PMI推進枠の事業統合投資類型におけるM&A仲介手数料・DD費用・M&Aコンサルティング費用・PMI専門家への手数料(これらはPMI専門家活用類型または専門家活用枠の側で申請します)。
廃業・再チャレンジ枠については、さらに細かい除外があります。商品在庫等を売却して対価を得る場合の処分費は対象外で、ファイナンスリース取引の解約に伴う解約金・違約金やリース資産の売買費用も対象外です。また廃業費用のみで300万円を申請することはできず、事業費側の申請とセットであることが前提です。枠別の詳細は対象経費の一覧をご覧ください。
神奈川県の上乗せ制度について確認できること
「県の上乗せ補助はありますか」という質問をよく受けます。ここは慎重に書きます。
本記事作成時点で確認できたこと
- 本補助金の採択事業者を対象に、都道府県が自己負担額の一部を追加補助する制度は存在します。中小機構の紹介ページでは熊本県と高知県の例が挙げられています。
- ただし全都道府県を網羅した一次資料は確認できていません。神奈川県に同種の上乗せ制度があるかどうかは、本記事作成時点(2026年9月11日)で公式に確認できていません。
- 県や市の独自制度は、神奈川県および各市の公式サイトで直接ご確認ください。本記事では確認できていない制度を推測で記載することはしません。
採択データについても同様です。事業承継・M&A補助金の事務局サイトで公表されているのは枠別の申請件数・採択件数の集計値で、都道府県別・業種別の採択件数を示す公開データは見当たりません。さらに専門家活用枠・廃業再チャレンジ枠・PMI推進枠は、複数の公募回で「補助事業の特性に鑑み、採択者を非公表とする」と明記されています。「神奈川県の採択企業一覧」のようなものは存在しないと考えてください。
参考として、制度全体の採択実績は次のとおりです。
| 公募回 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
| 11次(2025年7月11日採択・専門家活用枠のみ実施) | 590件 | 359件 | 60.8% |
| 12次(2025年10月27日採択) | 742件 | 453件 | 61.0% |
| 13次(2026年1月15日採択) | 481件 | 293件 | 60.9% |
| 14次(2026年5月15日採択) | 512件 | 311件 | 60.7% |
4回続けて60.7〜61.0%で推移しており、おおむね6割という水準です。地域による有利不利を示すデータはありません。推移の詳細は採択率の推移をご覧ください。
確認書と電子申請、神奈川で詰まりやすいところ
相談先が決まっても、手続きで止まることがあります。実務上のボトルネックは2つです。
| ボトルネック | 内容 | 対策 |
| GビズIDプライムアカウント | Jグランツによる電子申請のみで、それ以外の方法では申請を受け付けない。取得に1〜2週間、混雑時は3週間程度かかる | 枠の検討と並行して取得手続きを始める |
| 認定経営革新等支援機関の確認書 | 全枠で必要。事業承継促進枠と廃業・再チャレンジ枠は事業承継・再チャレンジの蓋然性、専門家活用枠とPMI推進枠は計画内容を確認する | 締切直前は依頼が集中して間に合わない場合があると要領が注意喚起している。早めに依頼する |
| 直近3期分の決算・申告 | 事業承継促進枠では公募申請時点で3期分の決算・申告を完了していることが必要(個人事業主は開業届提出から5年経過) | 顧問税理士と申告状況を確認する |
| 相見積り(専門家活用枠) | FA・仲介費用は登録M&A支援機関からの相見積りが必要で、最低価格を提示していない業者を選んだ場合は補助対象外 | 依頼前に登録状況と見積の取り方を確認する |
顧問税理士が認定経営革新等支援機関であれば、確認書はそこで依頼できます。該当しない場合は、センターや商工会議所に相談して認定支援機関を探すことになります。確認書の取り方は認定支援機関の確認書、電子申請の準備はJグランツとGビズIDで詳しく説明しています。
もうひとつ、時期に関する重要なルールがあります。原則として交付決定日以降の契約・発注かつ支払いが完了しているものだけが補助対象です。採択は交付申請をする権利が保障された段階であり、交付決定ではありません。採択の連絡を受けて発注してしまうと、その経費は補助対象外になります。詳しくは交付決定前の契約の扱いを確認してください。
16次公募の日程と、相談から申請までの動き方
16次公募(令和7年度補正予算)のスケジュールは次のとおりです。公募要領は2026年9月4日に先行開示されており、2026年9月11日時点では申請受付はまだ始まっていません。
| 項目 | 時期 |
| 公募要領開示・サイト開設 | 2026年9月4日(金) |
| 説明会申込受付 | 2026年9月9日(水)〜10月7日(水)17:00まで |
| 説明会(オンライン) | 2026年10月9日(金)14:00〜 |
| 公募申請受付期間 | 2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17:00まで |
| 採択日 | 2026年12月下旬以降 順次(予定) |
| 交付申請受付期間 | 2027年1月上旬〜11月中旬(予定) |
| 交付決定日 | 2027年1月下旬以降 順次(予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定日〜2028年3月中旬(予定) |
| 実績報告期間 | 2027年6月上旬〜2028年3月下旬(予定) |
| 補助金交付手続き | 2027年10月上旬以降 順次(予定) |
説明会はオンライン(Microsoft Teamsタウンホール形式)で、専門家活用枠、PMI推進枠、事業承継促進枠、廃業・再チャレンジ枠の順に説明されます。神奈川県内のどこからでも参加できます。申込受付は2026年10月7日(水)17:00までです。
| 時期 | やること |
| いま(2026年9月) | 神奈川県事業承継・引継ぎ支援センターまたは所在地の商工会議所へ相談。枠を決める。GビズIDプライムの取得手続きを始める |
| 2026年9月〜10月上旬 | 説明会に申し込む。認定経営革新等支援機関に確認書の発行を依頼する。決算・申告の状況を確認する |
| 2026年10月 | 事業計画を作る。専門家活用枠なら登録M&A支援機関から相見積りを取る |
| 2026年11月6日(金)17:00まで | Jグランツで公募申請する |
| 2026年12月下旬以降 | 採択結果を待つ。採択後も交付決定までは発注しない |
「予定」と注記された項目は変更される場合がありますので、公式サイトで最新の日程を確認してください。全体の工程は申請の流れ、日程の詳細は16次公募のスケジュールをご覧ください。
なお、補助金は実費弁済方式(精算払い)の後払いです。補助事業の完了後に実績報告を提出し、事務局の審査を経て額が確定してから支払われます。16次公募の補助金交付手続きは2027年10月上旬以降 順次(予定)とされており、それまでの資金は自社で立て替えることになります。資金繰りを含めて計画してください。
相談の前に整理しておきたい6つの論点
窓口へ行く前に自社の状況を整理しておくと、相談の密度が上がります。センターや商工会議所で最初に聞かれるのは、おおむね次の6点です。
| 論点 | 確認すること |
| 誰に継ぐか | 親族・従業員・第三者のいずれか。これで枠が決まる(事業承継促進枠はM&Aによる第三者承継が対象外) |
| いつまでに継ぐか | 事業承継促進枠は公募申請受付終了日から5年後まで(16次公募なら2031年11月5日まで)に承継を完了する蓋然性が必要 |
| 株式をどう動かすか | 経営権と所有権(株式・持分等)の両方が移ることが要件。代表者の交代だけでは対象にならない |
| 従業員は何人か | 小規模事業者等の判定で補助率が1/2か2/3かが変わる |
| 法人格は何か | 社会福祉法人・医療法人・一般社団法人・一般財団法人・学校法人・農事組合法人・組合等の法人格、法人格のない任意団体は対象外 |
| 過去の補助金の報告状況 | 経営資源引継ぎ補助金または事業承継・引継ぎ補助金の交付を受けていて事業化状況報告の義務を履行していない場合、今回の申請自体ができない |
加えて、審査の着眼点も知っておくと計画が書きやすくなります。審査は資格審査(対象者・対象事業・補助上限額等の適合確認)と書面審査(外部有識者で構成される審査委員会)の2段階で、書面審査の着眼点は【取組の目的・必要性】【取組の実現可能性】【取組の収益性】【取組の継続性】の4つです。なお、審査結果や不採択理由についての個別の問い合わせに事務局は一切応じないとされています。
加点事由も確認しておきましょう。事業承継促進枠では、経営力向上計画の認定・経営革新計画の承認・先端設備等導入計画の認定、地域未来牽引企業、健康経営優良法人、事業継続力強化計画の認定、アトツギ甲子園出場者、ワーク・ライフ・バランス推進の認定、賃上げ表明、そして事業承継・引継ぎ支援センターまたは中小機構地域本部の支援を受けた事業承継計画書策定などが挙げられています。神奈川県事業承継・引継ぎ支援センターに相談して計画書を作る流れは、この加点と直結します。加点の全体像は加点事由と審査の観点で整理しています。
出典・参考情報
最終更新日: 2026年9月11日。本記事の金額・日程・要件は16次公募要領(Ver.1.0・2026年9月4日開示)および事務局サイトの記載にもとづきます。窓口の所在地・電話番号・ウェブサイトは2026年9月11日時点で取得した公式ディレクトリの情報です。移転や番号変更の可能性がありますので、訪問前に各窓口の公式サイトでご確認ください。スケジュールには事務局が「予定」と注記しているものが含まれ、変更される場合があります。本記事は採択や補助額を保証するものではありません。