事業承継補助金の計画変更承認|様式第3が必要な7つの場面
申請実務
公開: 2026年9月11日
更新: 2026年9月11日
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この記事の結論
補助金は、交付申請の内容にそって事業を実施することを条件に交付されます。したがって、交付決定のあとに内容を変えるなら、変える前に事務局の承認を受けるのが原則です。
事業承継補助金の計画変更承認とは
補助金は、交付申請の内容にそって事業を実施することを条件に交付されます。したがって、交付決定のあとに内容を変えるなら、変える前に事務局の承認を受けるのが原則です。この手続きを計画変更の承認といい、事業承継・M&A補助金では交付規程第11条(計画変更の承認等)が根拠になります。
計画変更の承認が必要かどうかの判断は、経理担当者が単独で行いにくい論点です。金額を動かすだけでも該当することがあり、逆に該当しない軽微な変更もあるためです。この記事では、承認が必要な7つの場面、除外される軽微な変更、使用する様式、そして承認を取らなかった場合に何が起こるかを、交付規程の条文と公募要領の記載にそって整理します。
まず押さえる3つの原則
- 承認は「あらかじめ」受ける。事後の報告では要件を満たさない
- 申請はJグランツを通じて様式第3で行う
- 承認された内容が、そのあとの額の確定の基準になる(交付規程第17条第1項)
事業承継・M&Aでは計画変更が起きやすい
この補助金は、承継やM&Aという相手のある取引と並走します。交渉の進み方、承継予定者の体制、設備の納期、相手方の都合によって、当初の想定どおりに進まないことが起こります。16次公募の補助事業期間は2027年1月下旬(予定)から14か月以内を想定しており、その間に状況が動く余地は十分にあります。だからこそ、変更が生じたときの手続きをあらかじめ知っておくことが実務的な備えになります。
承認が必要な7つの場面(交付規程第11条第1項)
交付規程第11条第1項は、次の各号のいずれかに該当するときは、あらかじめ様式第3による申請書を事務局に提出し、その承認を受けなければならないと定めています。
| 号 | 承認が必要な場面 | ただし書き(除外) |
| 第1号 | 補助対象経費の区分ごとに配分された額を変更しようとするとき | 各配分額の10パーセント以内の流用増減を除く |
| 第2号 | 補助事業の内容を変更しようとするとき | 軽微な変更(ア・イ)を除く |
| 第3号 | 補助事業の全部もしくは一部を中止し、または廃止しようとするとき | なし |
| 第4号 | 交付申請時に補助事業により取得するとしていた補助対象物品、提供を受けようとした役務等を変更しようとするとき | 単価50万円(税抜)以上のものに限る |
| 第5号 | 補助事業の実施場所を変更するとき | なし |
| 第6号 | 補助事業の全部または一部を他に承継させようとするとき | なし |
| 第7号 | 破産手続き、民事再生手続き等法的整理の手続きを行うとき | 代理人による申請を含む |
この7つのうち、日常的に発生しやすいのは第1号(経費配分の変更)と第2号(事業内容の変更)、そして設備を伴う枠での第4号(物品・役務の変更)です。第3号・第6号・第7号は事業そのものの存続に関わる重い変更で、第5号は事業所の移転や施工場所の変更が該当します。
第7号を見落とさない
破産手続きや民事再生手続き等の法的整理の手続きを行うときも、計画変更の承認の対象です。代理人による申請を含むと明記されているため、弁護士に依頼して申立てを行う場合も同様です。事業再生を伴う承継を検討している事業者は、この規定を前提に、法的整理の可能性が見えた段階で事務局への相談を計画に組み込んでください。
枠を問わず共通のルール
交付規程は4つの枠すべてに共通して適用されます。事業承継促進枠の公募要領も「交付決定を受けた後、経費区分間の経費額をはじめとする計画変更が生じた場合は、Jグランツを通じて(様式第3)計画変更(等)承認申請書を事務局に対して提出し、事前に事務局の承認を受けること」と記載しており、PMI推進枠の要領にも同趣旨の記載があります。専門家活用枠や廃業・再チャレンジ枠でも同じ交付規程が適用されます。
経費配分の変更と「10パーセント以内の流用」
第1号の対象は「補助対象経費の区分ごとに配分された額」の変更です。事業承継・M&A補助金は、枠ごとに経費区分が定められており、交付申請の段階で区分ごとの金額が配分されます。この配分額を動かすことが変更に当たります。ただし、各配分額の10パーセント以内の流用増減は承認の対象から除かれます。
| 枠・類型 | 経費区分 |
| 事業承継促進枠 | 事業費(設備費など)/廃業費(併用申請時:廃業支援費・在庫廃棄費・解体費・原状回復費・リースの解約費・土壌汚染調査費・移転移設費用) |
| 専門家活用枠 買い手支援類型(Ⅰ型) | 謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料/廃業費(併用申請時) |
| 専門家活用枠 売り手支援類型(Ⅱ型) | 謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料/廃業費(併用申請時) |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型 | 謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料/廃業費(併用申請時) |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 謝金、旅費、委託費 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 設備費、外注費、委託費など |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、土壌汚染調査費、移転・移設費用 |
10パーセントの読み方(モデルケース)
交付規程のただし書きは「各配分額の10パーセント以内の流用増減を除く」です。ここでいう各配分額とは、交付決定で区分ごとに配分された額を指します。次の計算例は制度理解のためのモデルケースであり、実際の判断は交付決定通知書に記載された配分額と、事務局の事務手引書にしたがってください。
| ケース | 当初の配分額 | 変更後 | 増減幅 | 承認の要否(考え方) |
| A | 委託費 500万円 | 委託費 540万円 | プラス8パーセント | 10パーセント以内の流用増減に当たり得る |
| B | 委託費 500万円 | 委託費 560万円 | プラス12パーセント | 10パーセントを超えるため承認が必要 |
| C | 外注費 200万円 | 外注費 170万円 | マイナス15パーセント | 減る側も流用増減なので承認が必要 |
| D | 保険料 60万円 | 保険料 0円(取りやめ) | マイナス100パーセント | 事業内容の変更にも当たり得るため事務局に確認 |
総額が増えても補助金は増えません
計画変更の承認は、あくまで計画の中身を変える手続きです。補助上限額や補助率が変わるわけではありません。また補助金は精算払い(実費弁済)であり、交付規程第17条第1項により、実績報告の内容が交付決定の内容(承認を受けた場合はその承認された内容)およびこれに付した条件に適合すると認められたときに、交付すべき補助金の額が確定します。見積より安く済めば、その実費分での確定になります。
承認が要らない「軽微な変更」の2類型
第2号(補助事業の内容の変更)には、次の2つの軽微な変更が除外として明記されています。条文をそのまま引用します。
| 区分 | 条文の内容 | 読み方 |
| ア | 補助目的に変更をもたらすものではなく、かつ、補助事業者の自由な創意により、より能率的な補助目的達成に資するものと考えられる場合 | 目的は同じまま、やり方を工夫してより効率よく目的を達成する場合 |
| イ | 補助目的及び事業能率に関係がない事業計画の細部の変更である場合 | 目的にも効率にも影響しない、計画の細かい部分の書き換え |
ここで重要なのは、軽微かどうかを最終的に判断するのは事務局だという点です。ア・イのどちらにも当てはまると自社で判断して手続きを省略した結果、実績報告の段階で「交付決定の内容に適合しない」と評価されると、当該経費が認められないおそれがあります。判断に迷う変更は、承認申請を出しておくほうが安全です。
迷いやすい場面の整理
| 場面 | 考え方 | 実務対応 |
| 同じ機能の設備を、より安い同等品に変えた(単価50万円以上) | 第4号の物品変更に当たる | 様式第3で承認申請 |
| 同じ機能の備品を別メーカーに変えた(単価50万円未満) | 第4号は単価50万円以上に限られる | 第2号の事業内容変更に当たらないかを確認し、迷えば事務局に照会 |
| 専門家(FA・仲介業者)を別の登録支援機関に変えた | 委託先の変更は事業内容に影響し得る | 様式第3で承認申請。相見積の再取得の要否も確認 |
| 工事の着工時期が1か月ずれた(補助事業期間内) | 期間内に収まるスケジュールの前後は細部の変更に当たり得る | 期間内に完了できないおそれがあるなら様式第4の事故報告 |
| 設備の設置場所を同一敷地内の別棟に変えた | 第5号の実施場所の変更に当たり得る | 様式第3で承認申請 |
| 会社の商号・所在地・代表者の連絡先が変わった | 計画変更ではなく事業者情報の変更 | 様式第16の補助金登録変更届(交付規程第30条の事業者情報の変更にも留意) |
物品・役務の変更と実施場所の変更
第4号は、交付申請時に補助事業により取得するとしていた補助対象物品、提供を受けようとした役務等を変更しようとするときで、単価50万円(税抜)以上のものに限ると定めています。設備を伴う事業承継促進枠やPMI推進枠 事業統合投資類型では、この号が現実的な論点になります。
50万円が3か所に出てくる
- 計画変更の承認が必要な物品・役務の基準:単価50万円(税抜)以上(交付規程 第11条第1項第4号)
- 相見積を取得すべき支払いの基準:1件(案件・発注)50万円以上(税抜)。ただし外注費・委託費・システム利用料・保険料は50万円未満でも原則必須
- 処分制限財産の基準:取得価格または効用の増加価格が単価50万円(税抜)以上(交付規程 第23条第1項)
同じ50万円でも意味が違うため、社内の管理表では列を分けて管理することを勧めます。処分制限のほうは財産処分制限の記事で詳しく解説しています。
変更にともなう相見積の考え方
公募要領は、1件50万円以上(税抜)の支払いを要するものについて、原則として2者以上から見積を取得し、相見積の中で最低価格を提示した者を選定することを必須としています。専門家活用枠では、外注費・委託費・システム利用料・保険料について1件50万円未満の場合でも原則として相見積の取得が必須です。したがって、発注先や品目を変更する場合は、変更後の内容でこの要件を満たしているかを併せて確認する必要があります。相見積を取得しない場合(免除条件に該当する場合を除く)は補助対象経費として認められません。
実施場所の変更(第5号)
第5号にはただし書きがなく、実施場所を変更するときは金額の大小にかかわらず承認が必要です。事業承継の局面では、承継を機に本社を移す、複数拠点を集約する、賃借していた工場を買い取るといった動きが起こります。設備の設置場所が交付申請時と変わるなら、実行前に様式第3を提出してください。なお、事業承継促進枠の設備費は国内の店舗・事務所等に係るものが対象で、海外の店舗・事務所の工事費用や海外で使用する機械装置等は対象になりません。
中止・廃止・承継・法的整理(第3号・第6号・第7号)
事業そのものの存続に関わる変更は、手続きの重さも結果も違います。
| 場面 | 手続き | 起こり得ること | 根拠 |
| 補助事業の全部または一部を中止・廃止する | 様式第3で事前に申請 | 事務局は交付決定の全部または一部を取り消し、または変更することができる | 交付規程 第11条第1項第3号・第21条第1項 |
| 補助事業の全部または一部を他に承継させる | 様式第3で事前に申請 | 事務局は必要に応じ交付決定の内容を変更し、または条件を付すことができる | 交付規程 第11条第1項第6号・第11条第2項 |
| 破産手続き・民事再生手続き等の法的整理を行う | 様式第3で事前に申請(代理人による申請を含む) | 同上 | 交付規程 第11条第1項第7号 |
| 予定の期間内に完了できない見込み、または遂行が困難になった | 様式第4の事故報告書を速やかに提出し指示を受ける | 事務局の指示にしたがう | 交付規程 第14条 |
| 事務局から遂行状況の確認を求められた | 様式第5の状況報告書を速やかに提出 | 進捗確認のための調査が行われることがある | 交付規程 第15条 |
事業承継促進枠の公募要領は、様式第4について「補助事業期間中又は補助期間終了後に補助事業の遂行が困難と判断し、補助金の交付を辞退する場合には、Jグランツを通じて(様式第4)事故報告書を事務局に対して提出し、事務局の指示を受けること」と記載しています。中止・廃止の申請(様式第3)と事故報告(様式第4)は場面が違うため、どちらに当たるか迷う場合は事務局に確認してください。
専門家活用枠でクロージングに至らなかった場合
専門家活用枠では、補助事業期間内に経営資源の引継ぎ(クロージング)が実現しなかった場合、補助上限額が300万円に変更され、原則としてデュー・ディリジェンス費用のみが補助対象経費として認められます(小規模売り手支援類型では上限50万円に変更され、着手金・システム利用料・DD費用が認められます)。これは計画変更の承認とは別の、要領上の効果です。あわせて、未成約時の追加報告書(様式第19)などの提出が求められます。
手続きの流れと使用する様式
変更の手続きはすべてJグランツを通じた電子申請です。GビズIDプライムアカウントが必要で、取得には1週間程度、混雑時は3週間程度かかるとされています。交付決定を受けているのであればアカウントは既にあるはずですが、担当者の交代でアカウント管理が引き継がれていないケースがあるため、変更が生じる前に確認しておいてください。
| 様式 | 名称 | 使う場面 | 提出のタイミング |
| 様式第3 | 計画変更(等)承認申請書 | 交付規程第11条第1項の7類型に該当する変更 | 変更を実行する前(あらかじめ) |
| 様式第16 | 補助金登録変更届 | 公募申請時または交付申請時の内容を変更する場合 | 事前に承認を受ける |
| 様式第4 | 事故報告書 | 期間内に完了できない見込み、遂行が困難、交付を辞退する場合 | 速やかに |
| 様式第5 | 状況報告書 | 事務局から遂行状況の確認を求められた場合 | 速やかに |
| 様式第6 | 実績報告書 | 補助事業が完了(廃止の承認を受けた場合を含む)したとき | 完了日から30日を経過した日、または完了期限日から10日を経過した日のいずれか早い日まで |
様式第3に書く4項目
交付規程に添付された様式第3(事業承継・M&A補助金計画変更(等)承認申請書)は、交付規程第11条第1項の規定に基づく申請書で、記載欄は次の4項目です。
| 記載欄 | 書く内容 | 書き方のポイント |
| 1. 変更の内容 | 何をどう変えるのか | 変更前と変更後を対比で示し、金額は経費区分ごとに書く |
| 2. 変更を必要とする理由 | なぜ変えるのか | 自社都合か外部要因かを事実で書く。交渉相手や納期など客観的な事情を添える |
| 3. 変更が補助事業に及ぼす影響 | 目的・効果への影響 | 補助目的が維持されること、生産性向上等の計画に与える影響を説明する |
| 4. 変更後の補助事業に要する経費、補助対象経費及び補助金の配分額 | 変更後の金額 | 総事業費・補助対象経費・補助金額を区分ごとに整理して記載する |
交付規程第11条第2項は、事務局は承認をする場合において、必要に応じ交付決定の内容を変更し、または条件を付することができると定めています。申請すれば必ず原案どおり承認されるとは限らず、条件付きの承認になることもある、という前提で余裕を持って申請してください。
承認を受けずに変更した場合に起こること
計画変更の承認は、実績報告と額の確定に直結します。交付規程第17条第1項は、事務局が実績報告を受けた場合に、報告書等の書類の審査および必要に応じて現地調査等を行い、その報告に係る補助事業の実施結果が「補助金の交付の決定の内容(第11条第1項に基づく承認をした場合は、その承認された内容)及びこれに付した条件に適合すると認めたとき」に交付すべき補助金の額を確定する、と定めています。つまり、承認を受けていない変更は、そもそも適合の判断基準に入りません。
| 起こること | 内容 | 根拠 |
| 額の確定で認められない | 承認された内容に適合しない実施結果は、額の確定の対象にならない | 交付規程 第17条第1項 |
| 是正の命令 | 補助事業が適切に実施されていないと認めたとき、是正のための措置を命じられる | 交付規程 第20条第1項 |
| 交付決定の取消し | 規程または事務局の処分・指示に違反した場合、交付決定の全部または一部を取り消し、または変更できる | 交付規程 第21条第1項第1号 |
| 返還命令 | 取消しに係る部分の補助金が既に交付されているときは、期限を付して返還を命じられる | 交付規程 第21条第2項 |
| 加算金 | 受領の日から納付の日までの期間に応じ、年利10.95パーセントで計算した加算金の納付を併せて命じられる | 交付規程 第21条第3項 |
| 延滞金 | 返還期限(命令の日から20日以内)を過ぎると、未納額に年利10.95パーセントの延滞金 | 交付規程 第17条第3項 |
実績報告の期限を過ぎると取消しの対象
交付規程第21条第1項第8号は、第16条第1項に定める期限内に実績報告書を提出しなかった場合を取消し事由に挙げています。計画変更でスケジュールが動くと、実績報告の期限計算も動きます。完了日から30日を経過した日、または交付決定通知書記載の補助事業完了期限日から10日を経過した日のいずれか早い日という基準を、変更後の日程で必ず引き直してください。やむを得ない理由で提出できない場合、事務局は期限を猶予することができるとされています(第16条第2項)。
実績報告と精算の全体像は実績報告と精算の記事で、交付決定前に契約してしまった場合の扱いは交付決定前の契約の記事で解説しています。
計画変更以外に届け出るもの
交付決定後に事務局へ伝えるべき事項は、計画変更だけではありません。混同しやすい届出を整理します。
| 種類 | 内容 | 手続き | 根拠 |
| 公募申請・交付申請内容の変更 | 交付決定を受けた後に、公募申請時または交付申請時の内容を変更する場合 | Jグランツで様式第16の補助金登録変更届を提出し、事前に承認を受ける | 事業承継促進枠 公募要領 16.2(3) |
| 事業者情報の変更 | 事務局に報告している会社情報等に変更が生じた場合 | 速やかに事務局へ届け出る | 交付規程 第30条 |
| 債権譲渡 | 交付決定によって生じる権利の全部または一部を第三者に譲渡・承継させる場合 | 事務局の承諾が必要(信用保証協会・特定目的会社・所定の金融機関への譲渡を除く) | 交付規程 第13条第1項 |
| 産業財産権等の取得 | 補助事業に基づく発明・考案等で特許権等を補助事業年度または終了後5年以内に出願・取得した場合など | 様式第13の産業財産権等取得等届出書を遅滞なく届け出る | 交付規程 第26条 |
| 消費税等仕入控除税額の確定 | 補助事業完了後に申告により確定した場合 | 様式第8で速やかに報告。全部または一部の返還を命じられる | 交付規程 第19条 |
| 事業化状況報告 | 補助事業完了後、枠ごとに定められた期間の毎事業年度 | 各事業年度終了後90日以内に様式第12を提出 | 交付規程 第25条 |
委託先・外注先を変えるときの追加論点
交付規程第12条は、補助事業全体の企画および立案ならびに根幹に関わる業務部分を第三者に請け負わせ、または委託してはならないと定めています。また、契約は一般の競争に付することが原則で、運営上困難または不適当な場合に指名競争または随意契約によることができるとされています。さらに第12条第5項は、契約金額100万円未満のものを除き、経済産業省または中小機構から補助金交付等停止措置または指名停止措置が講じられている事業者を契約の相手方としてはならないと定めています。委託先を変更する場合は、これらの要件を変更後の相手方についても満たしているか確認してください。
実務チェックリストと16次公募のスケジュール
変更が生じたときの手順
- 変更内容が交付規程第11条第1項の7類型のどれに当たるかを確認する
- 経費配分の変更なら、交付決定通知書の配分額に対して10パーセントを超えるかを計算する
- 物品・役務の変更なら、単価50万円(税抜)以上かどうかを確認する
- 軽微な変更(ア・イ)に当たると自社で断定せず、迷えば事務局に照会する
- 実行前にJグランツで様式第3を提出する(事後申請は要件を満たさない)
- 変更後の内容で相見積の要件を満たしているか、契約先が第12条第5項に抵触しないかを確認する
- 承認通知を受け取ったら、条件が付いていないかを読み込む
- スケジュールが動いたら、実績報告の期限を変更後の日程で計算し直す
| 項目 | 16次公募の時期 |
| 公募要領開示・サイト開設 | 2026年9月4日 |
| 説明会申込受付 | 2026年9月9日から10月7日17:00まで |
| 説明会 | 2026年10月9日 14:00からオンライン開催 |
| 公募申請受付期間 | 2026年10月2日から2026年11月6日17:00まで |
| 採択日 | 2026年12月下旬以降 順次(予定) |
| 交付申請受付期間 | 2027年1月上旬から2027年11月中旬(予定) |
| 交付決定日 | 2027年1月下旬以降 順次(予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定日から2028年3月中旬(予定) |
| 実績報告期間 | 2027年6月上旬から2028年3月下旬(予定) |
| 補助金交付手続き | 2027年10月上旬以降 順次(予定) |
2026年9月11日時点の状況
16次公募は公募要領(Ver.1.0)が2026年9月4日に開示された段階で、申請受付はまだ始まっていません。受付開始は2026年10月2日です。計画変更の手続きが必要になるのは交付決定(2027年1月下旬以降 順次・予定)を受けたあとですが、変更の起こりやすさを見越して、申請段階から余裕のある計画を組むことが結果的にいちばんの対策になります。相談先としては認定経営革新等支援機関のほか、各都道府県の事業承継・引継ぎ支援センターがあります。なお、スケジュールはすべて予定であり、確定次第更新されるため、公式サイトで最新の情報を確認してください。
出典・参考情報
最終更新日: 2026年9月11日。本記事は16次公募の公募要領(Ver.1.0・2026年9月4日開示)および交付規程の記載に基づいています。制度の内容・様式・スケジュールは変更される場合があります。計画変更の要否や手続きの詳細は、必ず交付決定通知書、公募要領および事務局が示す事務手引書で確認し、判断に迷う場合は事務局に照会してください。本記事の計算例はモデルケースであり、採択や補助額を保証するものではありません。