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従業員承継の補助金|事業承継促進枠の3年要件と上限額

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この記事の結論

後継者が親族にいない場合でも、長年働いてきた役員や社員に事業を引き継ぐという選択肢があります。これがいわゆる従業員承継(内部昇格型の承継、MBOやEBOと呼ばれる形を含みます)です。

従業員承継で使うのは事業承継促進枠

後継者が親族にいない場合でも、長年働いてきた役員や社員に事業を引き継ぐという選択肢があります。これがいわゆる従業員承継(内部昇格型の承継、MBOやEBOと呼ばれる形を含みます)です。事業承継・M&A補助金では、この従業員承継も事業承継促進枠の対象に含まれています。

事業承継促進枠は、「5年以内」に親族内承継・従業員承継等(事業再生を伴うものを含む)を予定している中小企業者等が対象です。M&Aによる第三者承継は対象外で、この場合は専門家活用枠の管轄になります。

承継の形使う枠従業員承継での可否
役員・従業員への承継事業承継促進枠対象(3年の経験要件あり)
親族への承継事業承継促進枠対象(親族の類型は経験要件が不要)
第三者へのM&A専門家活用枠事業承継促進枠では対象外
M&A後の統合(PMI)PMI推進枠親族間の事業承継は対象外
承継に伴う一部廃業廃業・再チャレンジ枠(併用申請)事業承継促進枠への上乗せとして可

補助されるのは「承継そのもの」ではない

事業承継促進枠は、承継の手続費用や株式の買取資金を出す制度ではありません。承継を契機として行う新たな取組(設備投資や販路開拓など)の費用を補助する制度です。事業承継に際して被承継者に支払う譲受費用(土地・資産購入費用等)は補助対象経費になりません。

枠の全体像は4つの枠の違い、親族内承継との違いは親族内承継で使える補助金で扱っています。

承継予定者の「3年」要件をどう満たすか

従業員承継でまず確認すべきは、承継予定者の経験要件です。事業承継促進枠では、法人の場合、次のいずれかを満たす必要があります。

類型要件従業員承継での当てはまり
①役員経験対象会社の役員として3年以上の経験があること取締役・執行役員などで長く働いてきた後継者が該当
②従業員経験対象会社に継続3年以上雇用され、業務に従事していること役員ではない社員が承継する場合はこちら
③通算役員経験と従業員経験の通算が3年以上であること社員から役員に昇格した後継者は通算で判定
④親族被承継者の親族(六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)であり、対象会社の代表経験が無い者親族内承継の類型。従業員承継では①〜③で判定する

従業員承継で使うのは①から③です。ポイントは「対象会社での」経験が問われることです。同業他社で20年の経験があっても、対象会社での役員・従業員経験が3年に満たなければ①〜③は満たしません。外部から招いた人材に承継するケースでは、この点が壁になります。

③の通算が用意されているのは実務的な配慮です。入社2年で取締役に就任し、その後2年経った後継者は、従業員経験2年と役員経験2年の通算4年で要件を満たします。それぞれ単独では3年に満たなくても、通算で判定できます。

個人事業主の場合は、継続3年以上の雇用経験者、または被承継者の親族(代表経験が無い者)が承継予定者になります。個人事業主の承継では、被承継者と承継予定者の共同申請が必須です。

3年に届かない場合の考え方

経験年数が足りない場合、事業承継対象期間が公募申請受付終了日から5年後まで(16次公募なら2031年11月5日まで)である点が手がかりになります。承継の完了時期に幅があるため、要件を満たす時期と申請時期の関係を認定経営革新等支援機関に確認してください。ただし承継予定者の要件は公募申請時点で判定されるものであり、本記事では要領に明示のない解釈を断定しません。

事業承継の要件(3期分の決算・経営権と所有権・5年以内)

承継予定者の要件とは別に、事業承継そのものについての要件があります。

要件内容
事業実態公募申請時点で対象会社が3期分の決算・申告を完了していること(個人事業主は開業届提出から5年経過していること)
移転の内容経営権と所有権(株式・持分等)の両方が被承継者から承継者へ譲渡されること
承継の時期事業承継対象期間(公募申請受付終了日から5年後まで)に承継を完了する蓋然性が高いこと
第三者確認認定経営革新等支援機関による確認を受けていること
申請単位原則、被承継者を補助対象者として申請する。個人事業主は被承継者と承継予定者の共同申請が必須
対象の範囲法人は代表者交代(同一法人内)が対象、個人事業主は事業譲渡が対象

16次公募では、公募申請の受付終了日が2026年11月6日ですから、事業承継対象期間は2026年11月6日から2031年11月5日までです。期間内に承継の完了が確認できない場合、原則として補助金の返還が求められます。

従業員承継でとくに難しいのが「所有権の移転」です。後継者である従業員に、株式を買い取るだけの資金があるとは限りません。金融機関からの借入、持株会社を使ったスキーム、段階的な株式移転など、実務ではさまざまな設計が行われますが、補助金の要件としては事業承継対象期間内に経営権と所有権の両方が移転していることが求められます。株式が旧代表に残ったままの代表者交代は、実質的な事業承継とみなされません。

なお、中小企業者等の定義は中小企業基本法第2条に準拠し、業種別に資本金・従業員数の基準が定められています。親会社が議決権の50%超を持つ子会社等のみなし大企業・みなし同一法人は対象外です。社会福祉法人・医療法人・一般社団法人・一般財団法人・学校法人・農事組合法人・組合等の法人格、法人格のない任意団体も対象外とされています。

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「のれん分け」は対象外になり得る

事業承継促進枠の公募要領には、実質的な事業承継が行われたとみなされない例が列挙されています。従業員承継で該当しやすいものが複数あります。

パターン従業員承継での注意点
従業員等へののれん分け(またはそれに準ずるもの)既存事業の承継ではなく、新たな事業を興す形は対象外になり得る
経営権と所有権のいずれの移転も伴わない代表者交代のみ株式が旧代表に残る形は要件を満たさない
グループ内の事業再編支配関係が変わらないため承継とみなされない
物品・不動産等のみを保有する事業の承継(売買を含む)事業ではなく資産の移転にあたる
フランチャイズ契約またはそれに準ずるもの承継の実態が異なる
休眠会社・事業実態が無い状態での代表者交代承継すべき事業がない
設立間もない法人での代表者交代、開業直後の事業譲渡で正当性が確認できない場合3期分の決算要件とあわせて確認される
合同会社の社員間での代表社員交代で経営者交代とみなされない場合持分の移転の実態が問われる

1行目の「のれん分け」は、従業員承継を考えるときに必ず確認すべき項目です。長年勤めた社員が独立して同業の店を開く、という形は、既存の法人・事業がそのまま承継されるわけではないため、事業承継促進枠の想定する承継とは異なります。既存の法人の代表と株式を引き継ぐのか、社員が別に新しい事業を立ち上げるのかで、扱いがまったく変わります。

第三者へのM&Aを併せて検討している場合

事業承継促進枠でM&A(第三者への株式譲渡等)を計画している場合は対象外です。「社内に候補がいるが、見つからなければM&Aも考えたい」という段階では、どちらの枠で申請するかを先に確定させる必要があります。第三者承継については第三者承継(M&A)の補助金を参照してください。

補助率・上限額と賃上げによる引き上げ

事業承継促進枠の補助率と上限額は次のとおりです。従業員承継でも親族内承継でも、金額の体系は同じです。

区分補助率補助下限額補助上限額
通常(小規模事業者等以外)補助対象経費の1/2以内100万円800万円(賃上げ要件達成で1,000万円)
小規模事業者等補助対象経費の2/3以内100万円800万円(賃上げ要件達成で1,000万円)
廃業・再チャレンジ枠との併用事業費の補助率に従う+300万円

800万円を超えて1,000万円までの部分は補助率が一律1/2以内になります。小規模事業者等の定義は、製造業その他が従業員20人以下、商業(卸売業・小売業)・サービス業が従業員5人以下、宿泊業・娯楽業が従業員20人以下です。

以下は補助対象経費1,200万円の設備投資を行う場合の計算の考え方です。モデルケースであり、採択や補助額を保証するものではありません。

項目小規模事業者等の場合それ以外の場合
補助対象経費1,200万円1,200万円
補助率2/3以内1/2以内
補助率を乗じた額800万円600万円
適用される上限額(賃上げなし)800万円800万円
補助見込額800万円600万円
自己負担の目安400万円600万円

賃上げ要件は、補助事業完了日を含む事業年度(基準年度)から翌年度にかけて、従業員1人当たり給与支給総額の上昇率3%以上を達成し、公募申請時までに全従業員・役員へ表明していることです。未達成の場合は引き上げ額(最大200万円)の返還を求められ、事業計画期間中の各年度末で水準を維持できない場合も同様です。なお、賃上げ要件の対象者にはパート・アルバイトなどの非正規雇用者も含まれる一方、役員や同居親族従業員などは除外される定義があります。詳細は公募要領で確認してください。

あわせて、補助事業期間を含む5年間の計画で付加価値額または1人当たり付加価値額の伸び率を年3%向上させる生産性向上要件があります。付加価値額は営業利益+人件費+減価償却費です。金額の全体像は補助率と上限額で扱っています。

何に使えるのか(対象経費と対象外)

事業承継促進枠の補助対象経費は、承継を契機とした取組に要する経費として公募要領9章に規定されています。従業員承継では、代替わりを機に老朽化した設備を更新する、業務システムを入れ替える、新しい販路を開拓するといった取組が想定されます。

区分内容
対象になる考え方承継を契機とした新たな取組に要する経費(公募要領9章の区分に従う)
対象外①事業承継に際して被承継者に支払う譲受費用(土地・資産購入費用等)。株式の買取代金も同様
対象外②売上原価に相当する経費(全枠共通)
対象外③国(独立行政法人を含む)の他の補助金・助成金と同一・類似内容で重複する事業
対象外④公的医療保険・介護保険の診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等と重複するもの
時期の制約原則、交付決定日以降の契約・発注かつ補助事業期間内に支払いが完了しているもの

従業員承継では、株式の買取資金をどう調達するかが最大の課題になることが多いのですが、その買取資金は補助対象外です。補助金で手当てできるのは、承継後の事業をどう伸ばすかという部分だけです。資金調達の設計は、金融機関や専門家と別途詰める必要があります。

採択と交付決定は別物

採択は交付申請をする権利の保障であり、交付決定ではありません。交付決定前に着手した経費は補助対象外です。16次公募では採択が2026年12月下旬以降、交付決定が2027年1月下旬以降に順次予定されています。設備の発注は交付決定通知を確認してから行ってください。

また、事業承継計画書に補助対象設備の投資計画を明示する必要はないとされています(16次公募のよくある質問で明確に否定されています)。計画書と経費明細は別の書類として整理してください。対象経費の全体像は対象経費の枠別整理を参照してください。

審査の着眼点と加点事由

審査は資格審査と書面審査の2段階です。書面審査は外部有識者で構成される審査委員会が行い、着眼点は取組の目的・必要性、取組の実現可能性、取組の収益性、取組の継続性の4点です。

従業員承継の事業計画では、この4点のうち「実現可能性」と「継続性」の説明が重要になります。後継者が所有権をどう取得するのか、その資金をどう調達するのか、旧代表が退いた後の経営体制はどうなるのかが、そのまま実現可能性の評価に直結するからです。

加点事由内容
事業承継・引継ぎ支援センターまたは中小機構地域本部の支援を受けた事業承継計画書策定事業承継促進枠のみの加点事由
アトツギ甲子園出場者(代表者予定を含む)事業承継促進枠のみの加点事由
地域おこし協力隊事業承継促進枠のみの加点事由
成長加速マッチングサービス会員登録+挑戦課題登録事業承継促進枠のみの加点事由
米国の追加関税措置により大きな影響を受けていること事業承継促進枠のみ・16次で新規追加
中小企業の会計に関する基本要領・指針の適用加点
経営力向上計画の認定・経営革新計画の承認・先端設備等導入計画の認定加点
地域未来牽引企業・健康経営優良法人・サイバーセキュリティお助け隊サービス利用加点
(連携)事業継続力強化計画の認定加点
ワーク・ライフ・バランス推進(えるぼし認定・くるみん認定等)加点
賃上げ表明3%以上で上限額引き上げと連動

もうひとつ、専門家活用枠では小規模事業者等に該当すること自体が加点事由とされていますが、事業承継促進枠ではこの扱いは示されていません。枠ごとに加点事由の構成が異なるため、他の枠の解説記事を読んで「この加点が使える」と思い込まないよう注意してください。

従業員承継で現実的に取りにいけるのは、事業承継・引継ぎ支援センターまたは中小機構地域本部の支援を受けて事業承継計画書を策定することです。センターは全国47都道府県(東京都のみ本部と多摩地域の2拠点で計48拠点)に設置された国の公的相談窓口で、親族内承継・第三者承継のどちらにも対応しています。相談は無料です。

審査結果(不採択理由)についての個別の問い合わせには事務局は一切応じません。審査料は徴収されません。加点の詳細は加点と審査、センターの使い方は事業承継・引継ぎ支援センターで扱っています。

申請から事業化状況報告までの流れ

従業員承継で事業承継促進枠に申請する場合の手順を時系列で整理します。

段階やることつまずきやすい点
1. 後継者の要件確認役員3年以上・継続3年以上の雇用・通算3年以上のいずれかを満たすか確認する対象会社での経験年数で判定される
2. 所有権移転の設計株式の買取方法と資金調達を決める買取資金は補助対象外
3. GビズIDプライムの取得Jグランツ以外からの申請は受け付けられない取得に1〜2週間、混雑時は3週間程度かかる
4. 認定経営革新等支援機関の確認書事業承継の蓋然性について確認を受ける締切直前は依頼が間に合わないことがある
5. 公募申請2026年10月2日〜11月6日17時(16次公募)個人事業主は共同申請が必須
6. 採択・交付申請・交付決定採択は2026年12月下旬以降、交付決定は2027年1月下旬以降の予定採択と交付決定は別物
7. 補助事業の実施交付決定日以降に契約・発注し、期間内に支払いを完了する補助事業期間は2027年1月下旬予定から14か月以内
8. 実績報告・額の確定・精算払請求様式第6で報告し、確定後に様式第7で請求実費弁済のため見積より安ければ実費分のみ
9. 事業化状況報告補助事業完了後5年間(合計6回)、毎事業年度終了後90日以内に様式第12で提出証拠書類は報告年度終了後5年間の保存義務

従業員承継では、2の所有権移転の設計がそのまま事業計画の説得力を左右します。株式の評価額をどう算定したか、買取資金をどこから調達するか、旧代表が保有株式を手放す時期はいつかという3点を、事業承継対象期間(16次公募なら2031年11月5日まで)の中に落とし込んでおいてください。認定経営革新等支援機関の確認も、この蓋然性の部分を見ています。

補助金は精算払い(実費弁済)です。採択されても、まず自社で支払い、実績報告と補助金額の確定を経てから交付されます。超過交付があれば返還命令の対象となり、未納の場合は年利10.95%の延滞金が課されます。実績報告は補助事業完了日から30日経過した日、または交付決定通知書に記載された補助事業完了期限日から10日経過した日のいずれか早い方までに提出します。

また、過去に経営資源引継ぎ補助金や事業承継・引継ぎ補助金の交付を受けており、かつ事業化状況報告の実施義務を履行していない場合は、今回の申請自体ができません。申請全体の流れは申請の流れ、必要書類は枠別の必要書類で扱っています。

16次公募のスケジュールと採択の実績

16次公募(令和7年度補正予算)の日程は次のとおりです。すべて事務局が公表している予定であり、確定次第更新されます。

項目時期
公募要領開示・サイト開設2026年9月4日(金)
説明会申込受付2026年9月9日(水)〜10月7日(水)17時まで
説明会2026年10月9日(金)14時からオンライン開催
公募申請受付期間2026年10月2日(金)〜2026年11月6日(金)17時まで
採択日2026年12月下旬以降 順次(予定)
交付決定日2027年1月下旬以降 順次(予定)
事業実施期間交付決定日〜2028年3月中旬(予定)
補助金交付手続き2027年10月上旬以降 順次(予定)

事業承継促進枠の申請・採択の実績は次のとおりです。なお、この数値は親族内承継と従業員承継を区別せず集計されたものです。承継形態別の内訳を示す一次資料は確認できていません。

公募回事業承継促進枠 申請件数事業承継促進枠 採択件数
12次(2025年8月22日〜9月19日受付)250件152件
13次(2025年10月31日〜11月28日受付)182件111件
14次(2026年2月27日〜4月3日受付)169件103件

全枠合計の採択率は、11次公募が60.8%、12次公募が61.0%、13次公募が60.9%、14次公募が60.7%と、4回連続でほぼ同じ水準です。日程の詳細は16次公募のスケジュール、採択率の推移は採択率の推移で確認できます。

出典・参考情報

最終更新日: 2026年9月11日。本記事は16次公募要領(Ver.1.0・2026年9月4日開示)および事務局公表情報に基づいています。日程・要件は変更される場合がありますので、必ず各公式サイトで最新情報を確認してください。株式の取得資金の調達方法や税務上の取扱いについては本記事では扱っていません。本記事のシミュレーションはモデルケースであり、採択や補助額を保証するものではありません。

よくある質問(FAQ)

A

事業承継促進枠です。この枠は5年以内に親族内承継・従業員承継等を予定している中小企業者等が対象で、M&Aによる第三者承継は対象外です。法人であれば同一法人内での代表者交代、個人事業主であれば承継者への事業譲渡が対象になります。専門家活用枠はM&A向け、PMI推進枠はM&A後の統合向けの枠です。

A

あります。対象会社の役員として3年以上の経験があること、対象会社に継続3年以上雇用され業務に従事していること、またはその通算が3年以上であることのいずれかを満たす必要があります。他社での経験は算入されません。社員から役員に昇格した後継者の場合は、従業員経験と役員経験を通算して判定できます。

A

従業員等へののれん分け(またはそれに準ずるもの)は、実質的な事業承継が行われたとみなされない例として公募要領に列挙されています。既存の法人の経営権と所有権をそのまま引き継ぐのか、社員が別に新しい事業を立ち上げるのかで扱いが変わります。計画の段階で認定経営革新等支援機関に確認してください。

A

補助対象にはなりません。事業承継に際して被承継者に支払う譲受費用(土地・資産購入費用等)は補助対象経費とならないと定められています。事業承継促進枠が補助するのは、承継を契機とした新たな取組に要する経費です。株式の取得資金の調達は、金融機関や専門家と別途設計する必要があります。

A

足りません。経営権と所有権(株式・持分等)の両方が被承継者から承継者へ譲渡されることが要件です。経営権と所有権のいずれの移転も伴わない代表者交代のみは、実質的な事業承継とみなされない例に挙げられています。従業員承継では株式の移転の設計が要件充足の鍵になります。

A

補助下限額100万円、補助上限額800万円です。補助率は小規模事業者等が2/3以内、それ以外が1/2以内です。従業員1人当たり給与支給総額の上昇率3%以上を達成し、公募申請時までに全従業員・役員へ表明していれば上限が1,000万円に引き上がります。800万円超の部分の補助率は一律1/2以内で、未達成の場合は引き上げ額(最大200万円)の返還を求められます。

A

事業承継対象期間は公募申請の受付終了日から5年後までです。16次公募であれば2026年11月6日から2031年11月5日までとなります。この期間までに承継の完了が確認できない場合、原則として補助金の返還が求められます。天災など補助事業者の責めに帰することができない理由がある場合は返還を求めないとされています。

A

事業承継促進枠の事業化状況報告は補助事業完了後5年間(合計6回)で、4枠のなかで最も長い期間です。毎事業年度終了後90日以内に様式第12で提出し、証拠書類は報告年度終了後5年間の保存義務があります。承継の完了、賃上げ、生産性向上のいずれもこの報告のなかで確認されます。

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本記事の監修

齊木祐介(株式会社ASI 代表取締役)

AI・ロボティクスの導入支援、補助金・助成金の活用支援、専門メディアの運営など複数事業を統括。実務で得た知見をもとに、本サイトの情報を監修しています(運営:株式会社ASI)。

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