事業承継補助金のよくある質問|16次公募Q&A総まとめ
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公開: 2026年9月11日
更新: 2026年9月11日
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この記事の結論
事業承継・M&A補助金は、4つの枠がそれぞれ別の公募要領を持ち、専門家活用枠にいたっては3つの要領に分かれています。そのため、検索で見つけた答えが自分の枠には当てはまらない、ということが頻繁に起こります。
この記事の使い方と、最初に押さえる5つの前提
事業承継・M&A補助金は、4つの枠がそれぞれ別の公募要領を持ち、専門家活用枠にいたっては3つの要領に分かれています。そのため、検索で見つけた答えが自分の枠には当てはまらない、ということが頻繁に起こります。本記事は、枠をまたいで共通する疑問と、枠ごとに答えが分かれる疑問を切り分けて整理したものです。
| 前提 | 内容 |
| 正式名称 | 現在の正式名称は「事業承継・M&A補助金」。令和6年度(11次公募)から、旧称の「事業承継・引継ぎ補助金」を改称した |
| 16次公募の受付 | 2026年10月2日(金)〜2026年11月6日(金)17:00。公募要領(Ver.1.0)は2026年9月4日に先行開示 |
| 枠の数 | 事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠の4枠。専門家活用枠はさらに3系統 |
| 申請方法 | GビズIDプライムアカウントによるJグランツからの電子申請のみ |
| 補助金の受取 | 実費弁済(精算払い)。事業完了・実績報告・額の確定を経た後払い |
16次公募のスケジュール(すべて予定)
- 説明会: 2026年10月9日(金)14:00〜(オンライン開催。申込受付は2026年9月9日〜10月7日17:00)
- 採択日: 2026年12月下旬以降 順次
- 交付申請受付: 2027年1月上旬〜2027年11月中旬
- 交付決定日: 2027年1月下旬以降 順次
- 事業実施期間: 交付決定日〜2028年3月中旬
- 実績報告期間: 2027年6月上旬〜2028年3月下旬
- 補助金交付手続き: 2027年10月上旬以降 順次
制度の全体像は完全ガイド、日程の詳細は16次公募のスケジュールをご覧ください。
制度の基本についての質問
| 質問 | 回答 |
| 事業承継補助金と事業承継・M&A補助金は同じものですか | 同じ制度の新旧の呼称です。令和6年度(11次公募)から「事業承継・M&A補助金」に改称されました。事務局のよくある質問には「過去の経営資源引継ぎ補助金または事業承継・引継ぎ補助金において補助金の交付を受けた方は」という記述もあり、事務局自身が複数の旧称を認識しています |
| いま何次公募ですか | 16次公募です(令和7年度補正予算)。14次・15次・16次が同じ事業サイトに掲載されています |
| いま申請できますか | 2026年9月11日時点では受付前です。申請受付は2026年10月2日から始まり、11月6日17時に締め切られます |
| 公募要領はどこにありますか | 事務局サイトの各枠のダウンロードページにあります。事業承継促進枠・専門家活用枠(3種)・PMI推進枠(2類型)・廃業再チャレンジ枠でPDFが分かれています |
| 説明会はありますか | 2026年10月9日14:00からオンラインで開催されます(Microsoft Teamsタウンホール形式)。専門家活用枠・PMI推進枠・事業承継促進枠・廃業再チャレンジ枠の順に説明されます |
| 枠の構成は昔から同じですか | 違います。令和2〜5年度(1〜10次公募)は「経営革新事業」「専門家活用事業」「廃業・再チャレンジ事業」の3本立てで、PMI推進枠は令和6年度補正(12次公募)から新設されました。当時の経営革新事業にあった「創業支援型」の区分は、現行の事業承継促進枠には存在しません |
沿革の詳細は名称変更の経緯、はじめての方は事業承継・M&A補助金とはで扱っています。
対象者についての質問
| 質問 | 回答 |
| 個人事業主でも申請できますか | できます。中小企業者等の定義は中小企業基本法第2条に準拠し、個人事業主も含まれます。ただし事業承継促進枠では被承継者と承継予定者の共同申請が必須で、開業届の提出から5年が経過していることが必要です |
| 医療法人や社会福祉法人は対象ですか | 対象外です。社会福祉法人・医療法人・一般社団法人・一般財団法人・学校法人・農事組合法人・組合等の法人格、および法人格のない任意団体は申請できません |
| 親会社がある子会社ですが申請できますか | みなし大企業・みなし同一法人(親会社が議決権の50%超を持つ子会社等)は対象外です |
| 設立してまだ2年です | 事業承継促進枠では、公募申請時点で対象会社が3期分の決算・申告を完了していることが必要です(個人事業主は開業届の提出から5年経過) |
| 小規模事業者等とは何人までですか | 製造業その他および宿泊業・娯楽業は従業員20人以下、商業(卸売業・小売業)およびサービス業は従業員5人以下です |
| 過去にこの補助金をもらったことがあります | 過去に経営資源引継ぎ補助金・事業承継・引継ぎ補助金の交付を受け、事業化状況報告の実施義務を履行していない場合は、今回の申請自体ができません |
個人事業主の詳細は個人事業主の事業承継補助金で解説しています。
枠選びについての質問
| 質問 | 回答 |
| M&Aで会社を売ります。どの枠ですか | 専門家活用枠の売り手支援類型です。小規模事業者等に該当する場合は小規模売り手支援類型も選べます(両者の同時申請は不可) |
| 事業承継促進枠でM&Aもできますか | できません。事業承継促進枠は親族内承継・従業員承継等が対象で、M&Aによる第三者承継は対象外です |
| 子に継がせます。どの枠ですか | 事業承継促進枠です。承継予定者が被承継者の親族(六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)であり、対象会社の代表経験が無いことが要件のひとつです |
| 従業員に継がせます | 事業承継促進枠です。承継予定者は役員として3年以上、または継続3年以上雇用され業務に従事、または通算3年以上の経験が必要です |
| 買収した会社の統合費用は | PMI推進枠です。PMI専門家活用類型(上限150万円)と事業統合投資類型(上限800万円、賃上げ要件達成で1,000万円)があります |
| 4つの枠を同時に申請できますか | 廃業・再チャレンジ枠は他の3枠のいずれとも併用できます(別申請不要・上乗せ処理)。専門家活用枠の買い手支援類型とPMI推進枠のPMI専門家活用類型も同一回で申請できます。一方、事業承継促進枠と専門家活用枠・PMI推進枠の同時申請はできません |
枠の比較は4つの枠の違い、スキーム別の考え方は株式譲渡と事業譲渡で整理しています。
補助率・上限額についての質問
金額の質問は枠ごとに答えが変わります。まとめると次のとおりです。
| 枠・類型 | 補助率 | 補助下限額 | 補助上限額 |
| 事業承継促進枠(小規模事業者等以外) | 1/2以内 | 100万円 | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円) |
| 事業承継促進枠(小規模事業者等) | 2/3以内 | 100万円 | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円) |
| 専門家活用枠 買い手支援類型(通常) | 2/3以内 | 50万円 | 600万円(DD費用上乗せで最大800万円) |
| 専門家活用枠 売り手支援類型(通常) | 1/2または2/3以内 | 50万円 | 600万円(DD費用上乗せで最大800万円) |
| 専門家活用枠 買い手支援類型(100億企業特例) | 1,000万円以下は1/2、1,000万円超〜2,000万円は1/3 | 50万円 | 2,000万円 |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型 | 2/3以内 | なし | 450万円 |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 1/2以内 | 50万円 | 150万円 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 1/2以内(小規模事業者等は2/3以内) | 100万円 | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円) |
| 廃業・再チャレンジ枠(単独) | 2/3以内 | 50万円 | 300万円 |
よくある質問と回答を補足します。売り手支援類型の補助率が2/3になるのは、物価高等の影響で営業利益率が直近事業年度またはその前年同時期比で低下している場合、または直近決算期の営業利益もしくは経常利益が赤字の場合です。いずれにも該当しなければ1/2以内になります。
事業承継促進枠とPMI推進枠の事業統合投資類型では、800万円超から1,000万円までの部分の補助率は一律1/2以内です。賃上げ要件は、補助事業完了日を含む事業年度(基準年度)から翌年度にかけて従業員1人当たり給与支給総額の上昇率3%以上を達成し、公募申請時までに全従業員・役員へ表明していることです。未達成の場合は引き上げ額(最大200万円)の返還を求められ、事業計画期間中の各年度末で水準を維持できない場合も同様です。
金額の詳細は補助率と上限額で扱っています。
対象経費についての質問
| 質問 | 回答 |
| M&Aの仲介手数料は対象になりますか | 専門家活用枠の委託費として対象です。ただしFA業務・仲介業務に係る相談料・着手金・中間報酬・成功報酬等は、M&A支援機関登録制度に登録された登録FA・仲介業者が支援したものに限られます。未登録業者への支払いは対象外です |
| 相見積りは必要ですか | 必要です。相見積りの相手も登録FA・仲介業者である必要があり、相見積りで最低価格を提示していない業者を選んだ場合は補助対象外とされています |
| デューデリジェンス費用は対象ですか | 専門家活用枠では対象で、買い手・売り手支援類型では200万円の上乗せ(合計800万円)が設定されています。ただし専門家に依頼せず自社で実施した場合は計上できません |
| 表明保証保険の保険料は | 対象です。買い手支援類型では買い手が手配した保険料、売り手支援類型では売り手が手配した保険料が対象で、同一案件で買い手・売り手が重複して加入することはできません |
| 会社を買う代金そのものは対象ですか | 対象外です。事業承継促進枠では、事業承継に際して被承継者に支払う譲受費用(土地・資産購入費用等)は補助対象経費になりません |
| PMI推進枠でM&Aの仲介手数料を出せますか | 事業統合投資類型では対象外です。M&A仲介手数料・DD費用・M&Aコンサルティング費用・PMI専門家への手数料は、PMI専門家活用類型または専門家活用枠側の管轄と整理されています |
| 仕入や材料費は対象ですか | 対象外です。売上原価に相当する経費は全枠共通で対象外とされています |
経費の質問で最も損失が大きくなるのは、契約の時期に関するものです。専門家活用枠では、中間報酬の根拠となる基本合意書の締結や、成功報酬の根拠となる最終契約の締結が、補助事業期間内に、かつ専門家契約の締結後に行われている必要があります。専門家契約の締結前にすでに基本合意や最終契約を結んでいた場合は原則として対象外で、覚書等で契約日を期間内に延長する行為も原則として認められません。すでに交渉が進んでいる案件については、どの費用がこれから発生するのかを登録M&A支援機関と整理してから申請を判断してください。
また、国(独立行政法人を含む)の他の補助金・助成金と同一・類似内容で重複する事業は対象外です。公的医療保険・介護保険の診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複も対象外とされています(報酬事業の対象設備と完全に別の事業所で分離できる場合の例外はあります)。交付決定後に判明した場合は取消しの対象になるため、他制度の採択・交付決定の状況は必ず申告してください。
経費区分は対象経費、手数料はFA・仲介手数料の扱い、DD費用はデューデリジェンス費用、保険は表明保証保険で扱っています。
申請手続きについての質問
| 質問 | 回答 |
| 紙で申請できますか | できません。GビズIDプライムアカウントによるJグランツからの電子申請のみで、Jグランツ以外からの申請は受け付けられません |
| GビズIDの取得にどれくらいかかりますか | 1〜2週間、混雑時は3週間程度とされています。公募締切から逆算して早めに取得してください |
| 認定支援機関の確認書は必須ですか | 必須です。事業承継促進枠・廃業再チャレンジ枠は事業承継・再チャレンジの蓋然性の確認、専門家活用枠・PMI推進枠は計画内容の確認について、認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等)の確認書が必要です |
| 確認書はいつ頼めばよいですか | 申請締切の直前は確認依頼が間に合わない場合があると、16次公募要領に注意書きがあります。受付開始前から依頼してください |
| 申請書の作成を代行してもらえますか | 行政書士(行政書士法人を含む)以外の者が有償で申請書類の作成を代行することは行政書士法違反の可能性があり、交付決定後に発覚した場合は取消しの対象とされています |
| 審査料はかかりますか | 選考に係る審査料は徴収されません |
申請手続きで見落とされやすいのが、加点事由の申請とその後の責任です。加点事由を申請して交付決定を受けたにもかかわらず、賃上げ等の要件が事業化状況報告で未達だった場合、未達の報告から18か月間、中小企業庁所管の他の補助金申請において正当な理由なく大幅に減点されると要領に定められています。対象として挙げられているのは、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、IT導入支援事業、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、事業承継・M&A補助金、Go-Tech事業、事業再構築補助金、新事業進出補助金、中小企業省力化投資補助事業などです。加点を取るかどうかは、数年後の申請余地まで含めて判断してください。
電子申請はJグランツとGビズID、確認書は認定支援機関の確認書、代行費用は申請代行の費用で扱っています。
審査・採択についての質問
審査は、資格審査(対象者・対象事業・補助上限額等の適合確認)と、外部有識者で構成される審査委員会による書面審査の2段階です。書面審査の着眼点は【取組の目的・必要性】【取組の実現可能性】【取組の収益性】【取組の継続性】とされています。
| 公募回 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
| 11次(2025年7月11日採択・専門家活用枠のみ実施) | 590件 | 359件 | 60.8% |
| 12次(2025年10月27日採択) | 742件 | 453件 | 61.0% |
| 13次(2026年1月15日採択) | 481件 | 293件 | 60.9% |
| 14次(2026年5月15日採択) | 512件 | 311件 | 60.7% |
4回連続でおよそ6割という水準です。12次の内訳は事業承継促進枠250件申請・152件採択、専門家活用枠436件申請・266件採択、PMI推進枠55件申請・34件採択、廃業再チャレンジ枠1件申請・1件採択でした。
| 質問 | 回答 |
| 不採択の理由を教えてもらえますか | 審査結果についての個別の問い合わせに事務局は一切応じません |
| 採択された会社の一覧は見られますか | 枠によります。専門家活用枠は複数の公募回で「補助事業の特性に鑑み、採択者を非公表とする」と明記されています |
| 加点事由にはどのようなものがありますか | 中小企業の会計に関する基本要領・指針の適用、経営力向上計画の認定、経営革新計画の承認、先端設備等導入計画の認定、地域未来牽引企業、健康経営優良法人、サイバーセキュリティお助け隊サービス利用、(連携)事業継続力強化計画の認定、ワーク・ライフ・バランス推進(えるぼし認定・くるみん認定等)、賃上げ表明などです |
| 事業承継促進枠だけの加点はありますか | 地域おこし協力隊、アトツギ甲子園出場者(代表者予定を含む)、成長加速マッチングサービスの会員登録と挑戦課題登録、事業承継・引継ぎ支援センターまたは中小機構地域本部の支援を受けた事業承継計画書の策定、米国の追加関税措置により大きな影響を受けていること(16次で新規追加)などが該当します |
| 都道府県別の採択件数はありますか | 事務局サイトに都道府県別の一覧は公表されていません |
採択率の推移は採択率の推移、加点は加点と審査、不採択の傾向はよくある不採択理由で扱っています。
交付決定後についての質問
採択後の流れは交付規程で全枠共通に定められています。交付規程に沿った手順は次のとおりです。
| ステップ | 内容 |
| 1. 採択 | 交付申請をする権利の保障であり、交付決定ではない |
| 2. 交付申請・交付決定通知 | ここから補助事業を開始できる |
| 3. 補助事業の実施 | 原則、交付決定日以降の契約・発注・支払いのみが対象 |
| 4. 実績報告(様式第6) | 補助事業完了日から30日経過した日、または交付決定通知書記載の完了期限日から10日経過した日のいずれか早い方まで |
| 5. 額の確定 | 事務局の書類審査・現地調査等を経て確定(実費弁済=精算払い) |
| 6. 精算払請求(様式第7) | 請求書を提出し、補助金の支払いを受ける |
| 7. 事業化状況報告(様式第12) | 毎事業年度終了後90日以内に提出。証拠書類は報告年度終了後5年間保存 |
| 質問 | 回答 |
| 採択されたら発注してよいですか | いけません。採択は交付決定ではなく、交付決定前に着手した経費は対象外です |
| 見積より安く済んだらどうなりますか | 実費弁済方式のため、実費分のみの支払いになります |
| もらいすぎた場合は | 返還命令が出され、期限までに納付されない場合は年利10.95%の延滞金が課されます |
| 報告はいつまで続きますか | 事業承継促進枠とPMI推進枠の事業統合投資類型は補助事業完了後5年間(合計6回)、専門家活用枠とPMI専門家活用類型は3年間(合計4回)、廃業・再チャレンジ枠は1年間(合計2回)です |
| 計画を変更したい場合は | 変更の承認手続きが必要です。実績報告期限に正当な理由なく提出しない場合は原則として交付決定の取消しになります |
| 返還が発生するのはどんなときですか | 事業承継促進枠で事業承継対象期間までに承継完了が確認できない場合、賃上げ要件が未達の場合(引き上げ額最大200万円)、専門家活用枠の100億企業特例で事業化状況報告時に被承継者の従業員数が実績報告時より減少していた場合などです。天災など補助事業者の責めに帰することができない理由がある場合は返還を求められません |
手続きは実績報告と精算、変更手続きは計画変更の承認、処分制限は財産処分の制限で扱っています。
出典・参考情報
最終更新日: 2026年9月11日。制度の内容・スケジュールは変更される場合があります。回答は16次公募の公募要領および各枠のよくある質問に基づく要約であり、個別の可否判断は事務局または認定経営革新等支援機関にご確認ください。本記事は採択や補助額を保証するものではありません。
補助金の申請・手続きを専門家に任せる
補助金は申請書類の作成や事業計画の策定に専門知識が必要です。採択率を高めたい方は、申請代行・申請サポートの専門家への相談も有効です。