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事業承継・M&A補助金と省力化・新事業進出の併用可否

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この記事の結論

事業承継・M&A補助金の併用について検索する方の多くは、2つのまったく違う問いを同じ言葉で聞いています。ひとつは「事業承継・M&A補助金の4つの枠を組み合わせられるか」という制度の内側の話、もうひとつは「他の国の補助金と同じ年に両方使えるか」という制度の外側の話です。

併用の可否は「制度の内側」と「制度の外側」で分けて考える

事業承継・M&A補助金の併用について検索する方の多くは、2つのまったく違う問いを同じ言葉で聞いています。ひとつは「事業承継・M&A補助金の4つの枠を組み合わせられるか」という制度の内側の話、もうひとつは「他の国の補助金と同じ年に両方使えるか」という制度の外側の話です。答えの根拠になる規定がまったく別なので、混ぜて考えると必ず判断を誤ります。

この記事で扱う2つの問い

  • 制度の内側: 事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠のうち、どれとどれを同一公募回で申請できるか(根拠は各枠の16次公募要領)
  • 制度の外側: 中小企業省力化投資補助事業や新事業進出補助金など、国の他の補助金と重複できるか(根拠は各枠の要領にある重複禁止規定)

結論を先に置くと、制度の内側には「できる組み合わせ」と「できない組み合わせ」が要領に明記されています。一方で制度の外側については、要領は個別の補助金名を挙げて可否を示しているわけではなく、同一・類似内容の事業で国の他の補助金・助成金の交付を受けている、または受けることが決まっている場合は対象外という原則を置いているだけです。つまり外側の判断は、最終的に自社の事業計画の書き方と、事務局・各補助金事務局への事前確認に委ねられます。

本記事は、事業承継・M&A補助金の16次公募要領(令和7年度補正予算・Ver.1.0、2026年9月4日開示)に書かれている内容だけを根拠にしています。省力化投資補助事業・新事業進出補助金それぞれの補助率や上限額といった数値は、本記事の出典に含まれない別制度の情報であるため記載していません。各制度の公式サイトで必ず最新の公募要領を確認してください。

制度全体の骨格は事業承継・M&A補助金の完全ガイド、枠の違いは4つの枠の違いで整理しています。

制度の内側の併用ルール(4枠の組み合わせ一覧)

まず、事業承継・M&A補助金の中での併用です。16次公募の各枠の公募要領から読み取れる組み合わせは次のとおりです。

組み合わせ同一公募回での申請根拠・補足
廃業・再チャレンジ枠 + 事業承継促進枠可能(併用申請)別申請は不要で、主枠への上乗せとして処理。上乗せ上限300万円
廃業・再チャレンジ枠 + 専門家活用枠(買い手・売り手)可能(併用申請)上乗せ上限300万円
廃業・再チャレンジ枠 + 専門家活用枠(小規模売り手支援類型)可能(併用申請)上乗せ上限150万円
廃業・再チャレンジ枠 + PMI推進枠可能(併用申請)上乗せ上限300万円。PMI専門家活用類型は単独申請のみ
専門家活用枠(買い手支援類型)+ PMI推進枠(PMI専門家活用類型)可能別枠として補助上限が別立てで積み上がる
事業承継促進枠 + 専門家活用枠/PMI推進枠不可事業承継促進枠はM&Aを伴わない親族内・従業員承継が対象のため
専門家活用枠 通常版 + 100億企業特例不可同一公募回での重複申請不可。100億企業特例で不採択でも通常版へ自動移行はしない
専門家活用枠 通常の売り手支援類型 + 小規模売り手支援類型不可どちらか一方を選ぶ

この表でいちばん実務に効くのは、廃業・再チャレンジ枠が「独立した申請」ではなく「上乗せ」として動くという点です。承継やM&Aに伴って既存事業や譲り受けた事業の一部を廃業する場合、廃業・再チャレンジ枠への別申請は不要で、該当する主枠の申請に廃業費を積む形になります。補助率も廃業費独自のものではなく、主枠の補助率に従います。

廃業費だけを取り出して申請することはできない

廃業費用のみで300万円を申請することは認められておらず、事業費側の申請とセットであることが前提です。単独申請ができるのは、M&Aで事業を譲り渡せなかった中小企業者等の株主・個人事業主が、新たなチャレンジのために既存事業を廃業する「再チャレンジ申請」の場合に限られます。

各枠の詳細は事業承継促進枠専門家活用枠PMI推進枠廃業・再チャレンジ枠をご覧ください。

制度の外側の大原則、国の補助金との重複禁止

ここからが本題です。事業承継・M&A補助金の各枠の公募要領には、国の他の補助金との関係について次の原則が置かれています。

規定の内容実務上の意味
国(独立行政法人を含む)の他の補助金・助成金と同一・類似内容で重複する事業は対象外「同じ会社が同じ年に2つの補助金を使う」ことが禁止されているのではなく、「同一・類似内容の事業が重複する」ことが禁止されている
交付を受けている場合だけでなく、受けることが決まっている場合も対象外他制度の採択通知を受けた段階で申告が必要になる
交付決定後に判明した場合は取消しの対象後から発覚すると返還の問題になる。黙って通すという選択肢は存在しない
公的医療保険・介護保険の診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複も対象外クリニック・調剤薬局・介護事業所・太陽光設備を持つ事業者は特に注意(報酬事業の対象設備と完全に別事業所で分離できる場合の例外はある)

ここで重要なのは、禁止されているのが重複であって、事業者単位の併用そのものではないという点です。同一・類似内容で重複する事業という書き方は、逆に言えば、事業の内容と対象経費が明確に分かれていればそれぞれの制度で申請する余地があるということを意味します。ただしその判断は事業者の自己申告ではなく、各補助金の事務局が審査時および交付決定後に判断します。

したがって実務としては、「使えるかどうか」を検索で確かめるのではなく、次の3つを文書で説明できる状態にしておくことが答えになります。

  1. 2つの補助事業の目的が異なることを、事業計画の記述レベルで説明できる
  2. 対象経費が1円も重ならないことを、見積書・契約書・支払記録のレベルで分離できる
  3. どちらの補助金にも、他方の申請・採択状況を正直に申告している

対象経費の分け方の考え方は対象経費の全体像で詳しく扱っています。

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中小企業省力化投資補助事業との関係

中小企業省力化投資補助事業は、事業承継・M&A補助金の16次公募要領のなかに名前が登場します。ただし登場するのは「併用できる補助金」としてではなく、加点事由の未達による減点措置の対象となる中小企業庁所管の補助金リストのなかです(詳細は後述のセクション)。つまり事務局は、両制度が同じ事業者によって申請され得る関係にあることを前提にしています。

そのうえで、併用の可否は前セクションの重複禁止規定に戻ります。省力化投資補助事業は省力化に資する設備等の投資を支援する制度であり、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠やPMI推進枠の事業統合投資類型もまた設備投資を対象経費に含みます。設備投資という点で領域が重なるため、同一の設備を両方に計上することはできません

ケース考え方必要な準備
同じ設備を両制度に計上する同一・類似内容の重複に該当し不可どちらか一方に絞る
承継を契機とした取組の設備と、省力化のための設備が別物である事業として分離できれば余地はあるが、事務局の判断事項設備ごとに見積・契約・支払を完全に分離し、事業計画で目的の違いを説明する
年度をずらして順番に使う重複の問題は生じにくい事業承継・M&A補助金の補助事業期間は交付決定から14か月以内。期間の重なりに注意
片方が採択済みで、もう片方に申請する採択・交付決定の事実を必ず申告する他制度の採択通知書の写しを手元に用意しておく

省力化投資補助事業の金額・要件は本記事の出典に含まれません

中小企業省力化投資補助事業の補助率・補助上限額・対象カテゴリ・公募スケジュールは、事業承継・M&A補助金の公募要領には書かれていません。本サイトでは公式に確認できていない数値は記載しない方針のため、同制度の数値は各自で公式サイトの最新の公募要領をご確認ください。

なお、事業承継・M&A補助金のPMI推進枠 事業統合投資類型は、製造ラインやIT・会計システムの統合等、経営統合効果を高める設備投資を対象としています。「承継した会社と自社のラインを統合する」という文脈であれば、省力化そのものを目的とする投資とは事業計画上の位置づけが異なります。この違いを言語化できるかどうかが、分離の説明力を左右します。

新事業進出補助金との関係

新事業進出補助金も、事業承継・M&A補助金の16次公募要領(事業承継促進枠)の注記に、減点措置の対象となる中小企業庁所管の補助金として名前が挙げられています。旧・事業再構築補助金の系譜にあたる制度として、新市場・新分野への進出を支援する位置づけです。

事業承継・M&A補助金との関係で論点になりやすいのは、承継を契機とした新分野展開です。事業承継促進枠は、承継を契機とした取組に要する経費を補助する枠であり、承継後に新しい取組を始めること自体は制度の想定内です。一方で新事業進出補助金も新分野への進出を支援します。同じ新事業を両方に出すことはできません

論点事業承継・M&A補助金側の位置づけ判断のポイント
承継を契機とした新分野展開事業承継促進枠の対象になり得る承継との因果関係を計画に明示できるか
承継とは無関係の新市場進出事業承継促進枠の趣旨からは離れる他制度の方が計画としては素直
同一の新事業を2制度に申請同一・類似内容の重複で対象外どちらか一方に絞る
M&Aで取得した事業の立て直しPMI推進枠の事業統合投資類型が該当し得る統合効果を高める投資であるかどうか

事業承継促進枠には、補助事業期間を含む5年間の計画で付加価値額または1人当たり付加価値額の伸び率を年3%以上向上させる計画であることという生産性向上要件があります(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)。新事業を織り込む場合、この5年計画の数字と整合していることが前提になります。

また、承継後5年間にわたる事業化状況報告の義務があり(事業承継促進枠は補助事業完了後5年間・合計6回)、計画と実績の乖離は報告のたびに問われます。2つの制度に別々の5年計画を提出して内容が食い違うと、後年に説明を求められることになります。計画の整合は、申請時点ではなく完了後5年を見据えて設計してください。

計画書の書き方は事業計画書の書き方、報告義務は事業化状況報告で解説しています。

「同一・類似内容」かどうかを自分で切り分ける手順

重複禁止の判断は最終的に事務局が行いますが、申請前に自社で整理しておくべき項目は決まっています。次の6項目を一覧表にして、2つの補助事業を並べて書き出してみてください。項目のどれかが同一なら、重複と判断される可能性が高いと考えるのが安全です。

比較項目確認すること同一だった場合の評価
事業の目的何を解決するための取組か同一なら重複の疑いが強い
対象となる設備・役務型番・数量・仕様レベルで一致していないか同一なら明確に重複
対象経費の明細同じ見積書・同じ請求書を使っていないか同一なら明確に重複
実施場所同じ事業所・同じラインか同一でも目的と経費が分かれていれば直ちに重複とは限らない
実施期間補助事業期間が重なっていないか重なる場合は説明資料をより丁寧に
成果指標提出する計画の数値目標が同じ数字になっていないか同一なら計画の独立性を疑われる

迷ったら事前に聞く、が最短ルート

事業承継・M&A補助金の16次公募では、認定経営革新等支援機関による確認書の発行が必要です。確認書を依頼する税理士・中小企業診断士等は、他制度の申請状況も含めて計画の妥当性を見る立場にあります。重複の懸念がある場合は、確認書の依頼と同時に相談してください。なお、申請締切の直前は確認依頼が間に合わない場合があると要領にも注意書きがあります。

確認書の取り方は認定支援機関の確認書にまとめています。

時期をずらす設計、16次公募のスケジュールから逆算する

重複のリスクを構造的に下げるもっとも確実な方法は、2つの補助事業の時期を分けることです。事業承継・M&A補助金16次公募の想定スケジュールは次のとおりです(すべて予定であり、確定次第更新されます)。

項目時期
公募要領開示・サイト開設2026年9月4日(金)
説明会申込受付2026年9月9日(水)〜10月7日(水)17:00
説明会(オンライン開催)2026年10月9日(金)14:00〜
公募申請受付期間2026年10月2日(金)〜2026年11月6日(金)17:00
採択日2026年12月下旬以降 順次(予定)
交付申請受付期間2027年1月上旬〜2027年11月中旬(予定)
交付決定日2027年1月下旬以降 順次(予定)
事業実施期間交付決定日〜2028年3月中旬(予定)
実績報告期間2027年6月上旬〜2028年3月下旬(予定)
補助金交付手続き2027年10月上旬以降 順次(予定)

補助事業期間は、各枠の公募要領で「2027年1月(下旬予定)から14か月以内を想定」と定められています。つまり、16次公募で採択された場合の実務上の動ける期間は2027年1月下旬から2028年3月中旬までです。他制度の補助事業期間をこの外側に置けば、少なくとも同時進行による経費の混在は避けられます。

交付決定前の着手は全枠共通で対象外

原則として、交付決定日以降の契約・発注かつ支払いが完了しているものだけが対象経費です。採択は交付申請をする権利の保障であって交付決定ではありません。他制度のスケジュールに引きずられて先に発注してしまうと、事業承継・M&A補助金側の経費がまるごと落ちます。

16次公募の日程の詳細は16次公募のスケジュール、交付決定前の契約の考え方は交付決定前の契約で扱っています。

併用より怖い「18か月の減点措置」という横断ルール

併用可否とは別に、複数の補助金をまたいで効いてくる仕組みがあります。事業承継促進枠の公募要領には、加点事由を申請して交付決定を受けたにもかかわらず、賃上げ等の要件が事業化状況報告で未達だった場合、未達の報告から18か月間、中小企業庁が所管する他の補助金の申請において、正当な理由なく大幅に減点されるという規定があります。

減点措置の対象として要領に挙げられている補助金(令和8年9月時点)
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
IT導入支援事業
小規模事業者持続化補助金
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・M&A補助金
Go-Tech事業
事業再構築補助金
新事業進出補助金
中小企業省力化投資補助事業

このリストに新事業進出補助金と中小企業省力化投資補助事業が含まれている点が重要です。つまり、事業承継・M&A補助金で賃上げ加点を取って採択され、後年の事業化状況報告で未達だった場合、次に省力化や新事業進出へ申請したときに不利になる可能性があります。併用の設計は「今回どちらを取るか」ではなく「数年後の申請余地を潰さないか」という時間軸で考える必要があります。

賃上げ要件そのものの内容は次のとおりです。事業承継促進枠とPMI推進枠の事業統合投資類型では、補助事業完了日を含む事業年度(基準年度)から翌年度にかけて、従業員1人当たり給与支給総額の上昇率3%以上を達成し、公募申請時までに全従業員・役員へ表明していることが、補助上限額を800万円から1,000万円に引き上げる条件とされています。未達成の場合は引き上げ額(最大200万円)の返還を求められ、事業計画期間中の各年度末で水準を維持できない場合も同様です。

賃上げの対象者は「全従業員」と単純化できない

パート・アルバイトを含む非正規雇用者は対象に含まれる一方、役員・同居の親族従業員・30日未満の解雇予告で足りる者などは除外されるといった細かい定義があります。人数の数え方で上昇率が変わるため、就業規則と賃金台帳を見ながら算定してください。

加点事由の全体像は加点と審査の観点で解説しています。

申請前のチェックリストと、よくある誤解の整理

ここまでの内容を、申請前に確認する順番に並べ替えます。

確認することできていない場合の影響
1自社が中小企業者等に該当するか(中小企業基本法第2条準拠。みなし大企業・みなし同一法人、社会福祉法人・医療法人・一般社団法人・学校法人・組合等は対象外)申請自体ができない
2過去に経営資源引継ぎ補助金・事業承継・引継ぎ補助金の交付を受け、事業化状況報告を履行していないことがないか今回の申請自体が不可
3他の国の補助金・助成金で、同一・類似内容の事業の交付を受けている/受けることが決まっていないか対象外。交付決定後の判明は取消し
4GビズIDプライムアカウントを取得済みか(取得に1〜2週間、混雑時は3週間程度)Jグランツ以外からの申請は受け付けられない
5認定経営革新等支援機関の確認書を依頼したか締切直前は間に合わない場合がある
6賃上げ加点を取るか、取らずに上限800万円で設計するかを決めたか未達時は返還と18か月の減点措置
7対象経費の見積・契約・支払を他制度と分離できているか精算時に確定額から落ちる

最後に、併用にまつわるよくある誤解を整理しておきます。

よくある誤解正しい理解
1社が1年に使える国の補助金は1つだけそのような規定はない。禁止されているのは同一・類似内容の事業の重複
採択されれば自動的に補助金が振り込まれる交付は実費弁済の精算払い。事業完了・実績報告・額の確定を経た後払い
事業承継促進枠でM&Aによる第三者承継も申請できる事業承継促進枠はM&Aによる第三者承継は対象外。M&Aは専門家活用枠
廃業費だけ切り出して申請できる単独申請は再チャレンジ申請の要件を満たす場合に限られる
交付決定前でも採択後なら発注してよい採択は交付決定ではない。交付決定前の着手は対象外

あわせて、小規模事業者持続化補助金との併用事業承継税制との違いも確認しておくと、制度選びの全体像が見えます。

出典・参考情報

最終更新日: 2026年9月11日。制度の内容・スケジュールは変更される場合があります。必ず各公式サイトで最新情報を確認してください。中小企業省力化投資補助事業・新事業進出補助金の補助率・上限額・公募日程は本記事の出典に含まれないため記載しておりません。本記事は採択や補助額を保証するものではありません。

よくある質問(FAQ)

A

事業承継・M&A補助金の16次公募要領は、国(独立行政法人を含む)の他の補助金・助成金と同一・類似内容で重複する事業は対象外と定めています。省力化投資補助事業も国の補助金であるため、同じ設備・同じ経費を両方に計上することはできません。一方で、事業の目的と対象経費が明確に分かれていれば申請の余地はあります。判断は各補助金の事務局が行うため、認定経営革新等支援機関に相談したうえで、事業計画と見積の分離を文書で説明できる状態にしてから申請してください。

A

同じ年に申請すること自体を禁じる規定は要領にありません。禁止されているのは同一・類似内容の事業の重複です。ただし、事業承継促進枠で承継を契機とした新分野展開を計画し、同じ新事業を新事業進出補助金にも出す場合は、同一・類似内容の重複に該当します。どちらか一方に絞るか、事業そのものを分けるかの判断が必要です。なお、他制度の交付を受けることが決まっている場合も対象外となるため、採択通知を受けた時点で申告してください。

A

廃業・再チャレンジ枠は、事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠のいずれとも併用できます。この場合は別申請ではなく主枠への上乗せとして処理され、上乗せ上限は300万円(専門家活用枠の小規模売り手支援類型と併用する場合は150万円)です。また、専門家活用枠の買い手支援類型とPMI推進枠のPMI専門家活用類型は、同一公募回での同時申請が可能です。一方、事業承継促進枠と専門家活用枠・PMI推進枠の同時申請はできません。

A

できません。専門家活用枠の3種類(通常版の買い手・売り手支援類型、買い手支援類型の100億企業特例、小規模売り手支援類型)は、同一公募回での重複申請が認められていません。また、100億企業特例で不採択となっても通常の買い手支援類型(上限800万円)へ自動的に移行されるわけではなく、改めて申請する必要があります。どの類型で出すかは、申請前に補助上限額と補助率の体系を見比べて決めてください。

A

交付決定後に同一・類似内容の重複が判明した場合は、交付決定の取消しの対象になります。取消しとなれば、すでに受け取った補助金は返還の対象です。交付規程では、超過交付があった場合に返還命令が出され、期限までに納付されない場合は年利10.95%の延滞金が課されるとされています。申告しないという選択肢は実質的に存在しないと考えてください。

A

影響します。加点事由を申請して交付決定を受けたにもかかわらず、事業化状況報告の時点で賃上げ等の要件が未達だった場合、未達の報告から18か月間、中小企業庁所管の他の補助金申請において正当な理由なく大幅に減点されると要領に定められています。対象として挙げられているのは、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、IT導入支援事業、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、事業承継・M&A補助金、Go-Tech事業、事業再構築補助金、新事業進出補助金、中小企業省力化投資補助事業などです。加えて、上限引き上げ額(最大200万円)の返還も求められます。

A

公的医療保険・介護保険の診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複は対象外とされています。ただし、報酬事業の対象設備と完全に別の事業所で分離できる場合の例外があるとされています。クリニック・調剤薬局・介護事業所の承継では、そもそも医療法人・社会福祉法人といった法人格が対象外である点もあわせて確認が必要です。個別の可否は事務局への事前確認が確実です。

A

16次公募の申請受付は2026年10月2日から11月6日17時までです。GビズIDプライムアカウントの取得に1〜2週間(混雑時は3週間程度)、認定経営革新等支援機関の確認書の発行にも日数がかかり、締切直前は依頼が間に合わない場合があると要領に注意書きがあります。併用を検討している場合は、他制度の申請状況を整理した資料をあらかじめ用意し、確認書の依頼と同時に相談してください。事業計画・見積・契約の分離は、申請直前ではなく見積を取る前に設計しておくのが実務上の要点です。

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本記事の監修

齊木祐介(株式会社ASI 代表取締役)

AI・ロボティクスの導入支援、補助金・助成金の活用支援、専門メディアの運営など複数事業を統括。実務で得た知見をもとに、本サイトの情報を監修しています(運営:株式会社ASI)。

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