調剤薬局の事業承継・M&A補助金2026|薬局譲渡の枠と経費
申請実務
公開: 2026年9月11日
更新: 2026年9月11日
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この記事の結論
調剤薬局は、薬剤師である後継者の確保が難しいうえ、経営者の高齢化が進んでいます。近隣の医療機関の動向に収益が左右されるため、承継のタイミングを逃すと選択肢が狭まる業種でもあります。
調剤薬局の承継で、この補助金は何に使えるのか
調剤薬局は、薬剤師である後継者の確保が難しいうえ、経営者の高齢化が進んでいます。近隣の医療機関の動向に収益が左右されるため、承継のタイミングを逃すと選択肢が狭まる業種でもあります。事業承継・M&A補助金は、承継そのものにかかる専門家費用と、承継を機に行う投資を支える制度です。
医科・歯科の診療所と違い、調剤薬局は株式会社・有限会社・合同会社・個人事業主といった形態で運営されるのが一般的です。本補助金の対象者は中小企業者等であり、医療法人・社会福祉法人・一般社団法人・学校法人等の法人格は除外されていますが、薬局はこの除外規定に当たりにくいという特徴があります。そのぶん、論点は対象経費と許認可の切り分けに移ります。
この記事の前提
- 数値・日程は16次公募要領(Ver.1.0・2026年9月4日開示)と事務局サイトの事業スケジュール欄によります。事務局が「予定」と注記している項目があります。
- 2026年9月11日時点で16次公募の申請受付は開始前です。受付開始は2026年10月2日(金)です。
- 薬局開設許可・管理薬剤師・保険薬局の指定の取扱いは本補助金の公募要領に規定がありません。本記事では論点の所在を示すにとどめ、可否は許可権者・専門家への確認をお願いする形にしています。
本記事は、親族内・従業員へ引き継ぐケース(事業承継促進枠)と、第三者へ薬局を譲る・譲り受けるケース(専門家活用枠)の両方を扱い、対象経費の線引きと調剤報酬との重複禁止を中心に整理します。
対象者の判定。法人形態と小規模事業者等
本補助金の対象は中小企業者等で、定義は中小企業基本法第2条に準拠します。薬局の場合、確認すべきは次の点です。
| 運営形態 | 本補助金の対象 | 根拠 |
| 株式会社・有限会社・合同会社が運営する薬局 | 対象になり得る | 中小企業者等の要件(業種別の資本金・従業員数基準)を満たすことが前提です |
| 個人事業主が運営する薬局 | 対象になり得る | 中小企業者等には個人事業主が含まれます |
| 親会社が議決権の50%超を持つ子会社 | 対象外 | みなし大企業・みなし同一法人は対象外です |
| 医療法人が開設する薬局 | 対象外 | 医療法人は中小企業者等の定義から除外されています |
| 社会福祉法人・一般社団法人等が運営する薬局 | 対象外 | これらの法人格も定義から除外されています |
次に小規模事業者等の判定です。該当すると事業承継促進枠の補助率が1/2から2/3に上がり、専門家活用枠では小規模事業者等であること自体が加点事由になります。さらに売り手側では、下限額のない小規模売り手支援類型が使えます。
| 区分 | 従業員数の基準 | 調剤薬局での考え方 |
| サービス業 | 従業員5人以下 | 調剤薬局は一般にこの区分として扱われます。薬剤師・医療事務等を含む常時使用する従業員数で判断します |
| 商業(卸売業・小売業) | 従業員5人以下 | OTC医薬品や日用品の物販が事業の主体である場合など、実態に応じて判断されます |
| 製造業その他 | 従業員20人以下 | 製造部門が主体の関連事業の場合です |
| 宿泊業・娯楽業 | 従業員20人以下 | 調剤薬局では通常該当しません |
複数店舗を運営している法人は、全社の従業員数で判定されるため小規模事業者等に該当しないことがあります。区分の判断に迷う場合は、認定経営革新等支援機関に相談し、必要に応じて事務局に確認してください。補助率と上限の全体像は補助率と上限額の記事にあります。
薬局の渡し方・買い方で枠が決まる
枠の選択が最初の分岐です。調剤薬局でよくある承継のかたちを当てはめます。
| 調剤薬局でよくある承継のかたち | 使う枠 | 主な要件 |
| 経営者の子(薬剤師)が引き継ぐ | 事業承継促進枠 | 承継予定者は被承継者の親族(六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)で、対象会社の代表経験が無いこと |
| 長年勤めた管理薬剤師・役員が引き継ぐ | 事業承継促進枠 | 役員として3年以上、または継続3年以上雇用され業務に従事した経験。通算3年以上でも可 |
| 他社の薬局を譲り受けて店舗数を増やす(買い手) | 専門家活用枠 買い手支援類型 | 補助率2/3以内・上限600万円、DD費用の上乗せで合計800万円まで |
| 将来売上高100億円を目指す買い手として大型の譲受を行う | 専門家活用枠 買い手支援類型(100億企業特例) | 上限2,000万円。通常版の800万円枠とは同一公募回での同時申請不可 |
| 後継者不在で第三者に薬局を譲る(売り手) | 専門家活用枠 売り手支援類型 | 補助率1/2または2/3以内・上限600万円、DD費用の上乗せで合計800万円まで |
| 小規模な1店舗薬局が第三者に譲る | 専門家活用枠 小規模売り手支援類型 | 補助率2/3以内・補助下限額なし・上限450万円。通常の売り手支援類型との同時申請は不可 |
| 譲り受けた薬局のレセコン・電子薬歴・在庫管理を統合する | PMI推進枠 事業統合投資類型 | 公募申請時点でM&Aのクロージング日から3年以内の取組であること(単独申請の場合) |
| 統合計画づくりを専門家に依頼する | PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 補助率1/2以内・下限50万円・上限150万円 |
| 譲渡先が見つからず閉局して再挑戦する | 廃業・再チャレンジ枠(単独申請) | M&Aで事業を譲り渡せなかったことが要件。対象会社と支配株主等の共同申請が必要 |
100億企業特例は通常版と同時申請できません
専門家活用枠の買い手支援類型には、通常版(上限600万円、DD費用上乗せで合計800万円)と100億企業特例(上限2,000万円)の2系統があります。同一公募回での同時申請はできず、100億企業特例で不採択となっても通常の買い手支援類型に自動的に移行されません(再申請が必要です)。100億企業特例の補助率は、1,000万円以下の部分が1/2、1,000万円超2,000万円までの部分が1/3です。
併用については、廃業・再チャレンジ枠が事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠のいずれとも併用できます。専門家活用枠の買い手支援類型とPMI推進枠のPMI専門家活用類型は同一公募回で同時申請が可能です。一方、事業承継促進枠と専門家活用枠・PMI推進枠を同一公募回で申請することはできません。詳細は4つの枠の違いにあります。
補助率・上限額と、調剤報酬との重複禁止
金額の条件を整理します。薬局では、この表と重複禁止の規定をセットで確認してください。
| 枠・類型 | 補助率 | 補助下限額 | 補助上限額 |
| 事業承継促進枠(小規模事業者等) | 2/3以内 | 100万円 | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円) |
| 事業承継促進枠(通常) | 1/2以内 | 100万円 | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円) |
| 専門家活用枠 買い手支援類型(通常) | 2/3以内 | 50万円 | 600万円(DD費用上乗せで800万円) |
| 専門家活用枠 買い手支援類型(100億企業特例) | 1,000万円以下は1/2、1,000万円超〜2,000万円は1/3 | 50万円 | 2,000万円 |
| 専門家活用枠 売り手支援類型 | 1/2または2/3以内 | 50万円 | 600万円(DD費用上乗せで800万円) |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型 | 2/3以内 | なし | 450万円 |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 1/2以内 | 50万円 | 150万円 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 1/2以内(小規模事業者等は2/3以内) | 100万円 | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円) |
| 廃業・再チャレンジ枠(単独) | 2/3以内 | 50万円 | 300万円 |
調剤報酬との重複は対象外です
本補助金は、国(独立行政法人を含む)の他の補助金・助成金と同一・類似内容で重複する事業を対象としていません。これに加え、公的医療保険・介護保険の診療報酬・介護報酬との重複も対象外とされています。調剤報酬もこの公的医療保険の枠組みに含まれるため、保険調剤に直結する設備・システムの計上は慎重な確認が必要です。ただし、報酬事業の対象設備と完全に別事業所で分離すれば重複としない扱いの例外があるとされています。計上の可否は事務局または認定経営革新等支援機関に事前確認してください。
売り手支援類型の補助率が2/3になるのは、①物価高等の影響で営業利益率が直近事業年度またはその前年同時期比で低下している、②直近決算期の営業利益または経常利益が赤字、のいずれかに該当する場合です。非該当の場合は1/2以内です。
専門家活用枠にはクロージングしなかった場合の縮小規定もあります。補助事業期間内に経営資源の引継ぎが実現しなかった場合、上限額は通常版で300万円、100億企業特例で300万円、小規模売り手支援類型で50万円に縮小され、原則としてDD費用のみが補助対象経費になります。相手先が確定していない段階で申請する場合は、この前提を織り込んでください。
事業承継促進枠の上限を1,000万円に引き上げる賃上げ要件は、補助事業完了日を含む事業年度(基準年度)から翌年度にかけて従業員1人当たり給与支給総額の上昇率3%以上を達成し、公募申請時までに全従業員・役員へ表明していることです。未達成の場合は引き上げ額(最大200万円)の返還を求められます。
調剤薬局での対象経費の当てはめと、対象外になるもの
承継の場面で薬局に発生しがちな支出を、枠と費目に当てはめます。保険調剤と直結する設備は、前節の重複禁止の観点で事前確認が必要です。
| 調剤薬局でよくある支出 | 使う枠 | 対象経費としての位置づけ |
| 承継を機に更新する分包機・調剤機器 | 事業承継促進枠 | 設備投資として計上。交付決定日以降の契約・発注・支払いに限られます。調剤報酬との重複可否は事前確認が必要です |
| 電子薬歴・在庫管理・レセプト周辺システムの導入 | 事業承継促進枠/PMI推進枠 事業統合投資類型 | 承継を機に新規導入するか、譲り受けた薬局と統合するかで枠が分かれます |
| 承継を機に行う店舗の改装・待合の整備 | 事業承継促進枠 | 承継後の応需体制の改善につながることを事業計画で説明します |
| 譲渡先・譲受先を探す仲介・FAへの報酬 | 専門家活用枠 | 委託費。M&A支援機関登録制度に登録された業者への支払いのみが対象です |
| デュー・ディリジェンス(DD)費用 | 専門家活用枠 | 買い手支援類型はDD実施が実質的に必須とされています。調剤報酬債権・在庫・労務状況の調査が典型です |
| 表明保証保険の保険料 | 専門家活用枠 | 保険料として対象。同一案件で買い手・売り手が重複加入することはできません |
| 統合計画づくりの専門家費用 | PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 金融機関または弁護士・会計士・税理士・中小企業診断士・経営コンサルタント等への費用 |
| 閉局時の設備撤去・原状回復・登記手続き | 廃業・再チャレンジ枠 | 解体費・原状回復費・廃業支援費(司法書士への登記申請手続き経費)等 |
対象外になるもの
| 対象外になるもの | 根拠・注意点 |
| 医薬品の仕入れ | 売上原価に相当する経費は全枠共通で対象外です。在庫医薬品の購入費は計上できません |
| 公的医療保険の調剤報酬と同一・類似内容で重複する事業 | 対象外。別事業所で完全に分離した場合の例外があるとされています |
| 被承継者に支払う譲受費用(土地・資産購入費用等) | 事業承継促進枠では対象外。先代から店舗や設備を買い取る費用は計上できません |
| 交付決定日より前の契約・発注・支払い | 原則、交付決定日以降の契約・発注かつ支払い完了分のみが対象です |
| 在庫医薬品のみを保有する事業の譲渡 | 物品・不動産等のみを保有する事業の承継(売買を含む)は実質的な事業承継とみなされない例です |
| 在庫を売却して対価を得る場合の処分費 | 廃業費全般で対象外。返品や転売で対価を得るなら、その処分費は計上できません |
| ファイナンスリースの解約金・違約金 | 廃業費全般で対象外。分包機等のリース契約は要確認です |
| 登録M&A支援機関以外への仲介・FA費用 | 未登録業者への支払いは全額対象外。相見積りで最低価格を提示していない業者を選んだ場合も対象外です |
対象経費の考え方は対象経費の記事、仲介手数料はFA・仲介手数料の記事で扱っています。
薬局開設許可・管理薬剤師は補助金の審査対象ではない
薬局の承継で最も相談が集中するのは、許可と管理薬剤師の話です。ここは補助金と切り分けてください。本補助金の公募要領には、薬局開設許可・管理薬剤師・保険薬局の指定に関する規定は一切ありません。事務局はこれらを審査しません。
| 論点 | 誰が判断するか | 補助金との関係 |
| 薬局開設許可を承継後にどう扱うか | 都道府県知事等の許可権者 | 要領に規定なし。事務局の審査対象外です |
| 株式譲渡と事業譲渡で許可の扱いが変わるか | 許可権者。手続きは行政書士等に相談 | 要領に規定なし。ただしスキームの選択によって使う枠が変わることはあります |
| 管理薬剤師を誰が務めるか | 許可権者 | 要領に規定なし。事業の継続性を説明する材料にはなります |
| 保険薬局としての指定の取扱い | 地方厚生局等の所管行政機関 | 要領に規定なし。実現可能性を説明する前提条件になります |
| 承継予定者の実務経験年数(役員3年以上等) | 事務局(認定経営革新等支援機関の確認を経る) | 事業承継促進枠の要件そのものです |
許認可の可否は許可権者に確認してください
薬局開設許可の承継や管理薬剤師の要件は、本記事の情報源である公募要領の範囲外です。可否や必要書類は許可権者または専門家に必ず確認してください。本記事では論点の所在を示すにとどめています。
実務では、許可と人員の見通しを先に立て、そのうえで補助金の枠と事業計画を組むのが安全です。調剤を止めずに引き継げるかどうかは、審査の着眼点である「取組の実現可能性」と「取組の継続性」を説明する材料になります。
応需体制とかかりつけ機能を、審査の言葉に翻訳する
書面審査は外部有識者で構成される審査委員会が行い、着眼点は【取組の目的・必要性】【取組の実現可能性】【取組の収益性】【取組の継続性】の4つです。調剤薬局では、近隣の医療機関との関係と人員体制が計画の中心になります。
| 審査の着眼点 | 調剤薬局の計画で書くこと |
| 取組の目的・必要性 | なぜ今の承継なのか。経営者の年齢、薬剤師の年齢構成、近隣の医療提供体制の変化、設備の更新時期などを具体的に書きます |
| 取組の実現可能性 | 承継予定者の勤務年数と役割、許可と管理薬剤師の見通し、資金計画、設備投資の調達方法を書きます |
| 取組の収益性 | 承継を機に行う投資が、処方箋応需の枚数・待ち時間・在庫の回転・薬剤師1人あたりの処理量のどこにどう効くのかを書きます |
| 取組の継続性 | 薬剤師・医療事務の残留、かかりつけ機能や在宅対応の維持、患者への告知計画、医薬品卸との取引関係を書きます |
事業承継促進枠では、さらに生産性向上要件があります。補助事業期間を含む5年間の計画で、付加価値額または1人当たり付加価値額の伸び率が年3%向上する計画であることです。付加価値額は営業利益と人件費と減価償却費の合計で定義されます。在庫管理の効率化、在宅対応の拡大、応需体制の見直しなど、伸び率の根拠を具体的に書いてください。
要件面では、経営権と所有権(株式・持分等)の両方が被承継者から承継者へ譲渡されることが必要です。代表だけ交代して株式が現経営者に残る形は、実質的な事業承継と認められない例に挙げられています。事業承継対象期間は公募申請受付終了日から5年後までで、16次公募なら2026年11月6日から2031年11月5日までに承継を完了する蓋然性が高いことを、認定経営革新等支援機関が確認します。
加点事由には、経営力向上計画の認定、経営革新計画の承認、先端設備等導入計画の認定、(連携)事業継続力強化計画の認定、健康経営優良法人、地域未来牽引企業、サイバーセキュリティお助け隊サービス利用、ワーク・ライフ・バランス推進(えるぼし認定・くるみん認定等)、賃上げ表明などがあります。専門家活用枠では小規模事業者等に該当すること自体が加点事由、PMI推進枠ではDD実施が加点事由です。書き方は事業計画書の書き方、加点の詳細は加点と審査の記事にあります。
調剤薬局の申請でつまずきやすい点
要領とFAQから、薬局の承継で問題になりやすい箇所を抜き出します。
| つまずきやすい点 | 要領上の扱い |
| 調剤報酬に直結する設備をそのまま計上した | 公的医療保険の診療報酬と同一・類似内容で重複する事業は対象外です。別事業所で完全に分離した場合の例外があるとされています |
| 在庫医薬品の引継ぎを補助対象経費にした | 売上原価に相当する経費は全枠共通で対象外です |
| 在庫医薬品だけを引き継ぐ形にした | 物品・不動産等のみを保有する事業の承継(売買を含む)は対象外の例です |
| 代表だけ交代し、株式は先代が持ち続ける | 経営権と所有権のいずれの移転も伴わない代表者交代のみは対象外の例です |
| グループ内で薬局を移管した | グループ内の事業再編は、事業承継促進枠でもPMI推進枠でも対象外の例に挙げられています |
| 100億企業特例と通常の買い手支援類型に同時申請した | 同一公募回での同時申請はできません。不採択でも通常版に自動移行されず、再申請が必要です |
| 採択の連絡ですぐ調剤機器を発注した | 採択は交付申請する権利の保障であって交付決定ではありません。交付決定前に着手した経費は対象外です |
| 付き合いのある仲介会社が登録M&A支援機関でなかった | 登録された業者への支払いのみが委託費の対象です |
| 相見積りを取ったが最低価格の業者を選ばなかった | 相見積りで最低価格を提示していない業者を選んだ場合は補助対象外とされています(16次公募 専門家活用枠FAQ) |
| 基本合意を結んだ後に専門家と契約した | 中間報酬・成功報酬は、基本合意書締結や最終契約締結が補助事業期間内かつ専門家契約締結後である必要があります |
採択率は、現ブランドの確定値で11次60.8%、12次61.0%、13次60.9%、14次60.7%と、4回連続して約6割です(出典:shoukei-mahojokin.go.jp)。事務局は不採択理由の個別問い合わせに応じません。よくある不備は不採択理由の記事にまとめています。
16次公募の日程と、いま薬局がやること
16次公募のスケジュールは事務局サイトの事業スケジュール欄に掲載されています。2026年9月11日時点では要領のみが先行開示された状態です。
| 項目 | 時期 |
| 公募要領開示・サイト開設 | 2026年9月4日(金) |
| 説明会申込受付 | 2026年9月9日(水)〜10月7日(水) 17:00まで |
| 説明会 | 2026年10月9日(金) 14:00〜(オンライン、Microsoft Teamsタウンホール形式) |
| 公募申請受付期間 | 2026年10月2日(金)〜2026年11月6日(金) 17:00まで |
| 採択日 | 2026年12月下旬以降 順次(予定) |
| 交付申請受付期間 | 2027年1月上旬〜2027年11月中旬(予定) |
| 交付決定日 | 2027年1月下旬以降 順次(予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定日〜2028年3月中旬(予定)。2027年1月下旬予定から14か月以内 |
| 実績報告期間 | 2027年6月上旬〜2028年3月下旬(予定) |
| 補助金交付手続き | 2027年10月上旬以降 順次(予定) |
受付開始までの準備
- GビズIDプライムアカウントを取得する。取得には1〜2週間、混雑時は3週間程度かかります。申請はJグランツ以外では受け付けられません。
- 承継のかたち(親族内・従業員・第三者)を決め、枠を確定する。
- 認定経営革新等支援機関に確認書の発行を依頼する。締切直前は混雑します。
- 法人は直近3期分の決算書・申告書、個人事業主は開業届と確定申告書を揃える。
- 補助対象経費に調剤報酬との重複がないかを事前に確認する。
- M&Aなら、依頼先が登録M&A支援機関かを先に確認する。
- 薬局開設許可・管理薬剤師の見通しを許可権者または専門家に確認する。
採択後は、交付申請、交付決定、事業実施、実績報告、額の確定、精算払、事業化状況報告の順に進みます。補助金は実費弁済方式(精算払い)で、事業完了後の後払いです。実績報告は補助事業完了日から30日経過した日、または交付決定通知書記載の補助事業完了期限日から10日経過した日の、いずれか早い方までに提出します。事業化状況報告は毎事業年度終了後90日以内で、事業承継促進枠とPMI推進枠事業統合投資類型は補助事業完了後5年間(合計6回)、専門家活用枠とPMI専門家活用類型は3年間(合計4回)、廃業・再チャレンジ枠は1年間(合計2回)です。全体像は申請の流れにあります。
薬局の承継をどこに相談するか
調剤薬局は買い手が付きやすい一方、譲渡の条件交渉が専門的になります。公的窓口と登録M&A支援機関を組み合わせるのが現実的です。
| 相談先 | 相談できること | 公式サイト |
| 事業承継・引継ぎ支援センター | 親族内承継・第三者承継(M&A)の両方。全国47都道府県に設置(東京都は本部と多摩地域の2拠点で計48拠点) | shoukei.smrj.go.jp |
| 登録M&A支援機関(FA・仲介) | 譲渡先・譲受先の探索と交渉。専門家活用枠の委託費は登録機関への支払いのみが対象 | ma-shienkikan.go.jp |
| 認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士等) | 確認書の発行、対象経費の判断、事業計画の組み立て | ー |
| 都道府県・保健所等の許可権者 | 薬局開設許可、管理薬剤師に関する手続き | ー |
| 事務局(公募要領・FAQ) | 要件の解釈。ただし不採択理由の個別問い合わせには応じません | shoukei-mahojokin.go.jp |
事業承継・引継ぎ支援センターまたは中小機構地域本部の支援を受けて事業承継計画書を策定することは、事業承継促進枠の加点事由でもあります。親族内・従業員承継を考えている薬局は早めに接触しておく価値があります。使い方は支援センターの記事を参照してください。
M&Aの依頼先が登録M&A支援機関かどうかはM&A支援機関登録制度のサイトで確認できます。登録機関からの報告ベースでは、中小M&Aの件数は2024年度で譲渡側4,940件・譲受側4,708件と公表されています(出典:ma-shienkikan.go.jp/登録支援機関からの報告ベースであり、日本の中小M&A全体の件数ではありません)。都道府県によっては、本補助金の採択事業者を対象に自己負担額の一部を上乗せ補助する制度があります。全都道府県を網羅した一次資料は確認できていないため、お住まいの県の公式サイトで確認してください。
出典・参考情報
最終更新日: 2026年9月11日。16次公募の日程は事務局が「予定」と注記しているものを含み、変更される場合があります。薬局開設許可・管理薬剤師・保険薬局の指定の取扱いは本補助金の公募要領の範囲外であり、本記事は一般的な論点の整理にとどめています。必ず各公式サイトおよび許可権者・専門家に最新の情報を確認してください。本記事は採択や補助額を保証するものではありません。